三人寄れど馬鹿は馬鹿 | ナノ



※猫化



三人寄れど馬鹿は馬鹿




――場所は池袋西口公園


俺とシズちゃんと新羅は、茂みの中でこっそりと会議をしていた。

「‥‥‥‥で、どうする?これから」

「どうする‥‥‥‥ったって、どうするよ」

「家に入れないしねー」

ははっ、と笑う新羅が酷く憎たらしかったので飛び膝蹴りをかましてやった。大体こうなった原因はお前じゃねーか!!



そう‥‥‥‥俺達がこんな姿‥‥‥‥‥にゃんこになってしまった原因。



――約15分前、新羅宅(セルティ不在)


「ねぇ、臨也、静雄!!にゃんこになってみないかい!?」

「「‥‥‥‥‥は?」」


珍しく新羅に呼び出されて行ってみると、新羅は突拍子もない話をし始めた。

「じゃーーっん!!実はコレ、父さんが開発した薬なんだけど、猫と体を入れ換えることが出来るんだ!!」

「ついに頭までいかれたか」

「ちょ‥‥静雄、これ本当のことだから!!って言っても、信用しろってのが無茶な話だよね‥‥‥‥、じゃあ、先に僕が証明してみせるよ」


そう言うや否や、どこらからケージを持ってくると、中から白いにゃんこを取り出し、抱えたまま薬を飲んだ。

すると――




「新羅!?」

新羅は白目を向いて床に崩れ落ちた。俺は慌てて新羅に近寄ると、


「――ふぅ、成功だ」

「「え?」」


俺とシズちゃんは目が点になった。え、まじで?

固まる俺を白いにゃんこがとんとんと叩く。

「どう?臨也、静雄、信じた?」

「しししし、新羅なのか‥‥‥‥?」


シズちゃん、どもりすぎ。
いや、気持ちはわかるけどさ。

「そうだよ。ちょっとばかし非現実的かもしれないけどね。セルティという存在だっているんだ。それどころか、この現象は薬によってもたらされたもので、一応科学的には証明されてるんだ。だから心配いらないって」

「いや、じゃあ今この新羅の体には、にゃんこの意識が入ってるんでしょ?何で気絶しちゃったのさ」

「人間の体‥‥というか脳が、猫の意識じゃ上手く機能しないみたいだよ。猫のちっぽけな脳は人間の意識で、人間の脳並に使えるのにね」

まじで‥‥‥‥‥?これ全部適当じゃないよな。最近の科学発達し過ぎじゃね?はは、シズちゃんわけわからなすぎて固まってるし。頭ん中まで筋肉だから、猫と入れ代わったら使われちゃうんじゃない?

「で、1時間経ったら自動的に元に戻るんだけど、半径3メートル以内に体がないと元に戻れないから」

そこまで白いにゃんこ――新羅は説明すると、「ささ、飲んでみよう」と、楽しげに言った。

すると、今まで黙っていたシズちゃんが急に立ち上がり、俺との距離を詰めたと思ったら‥‥‥‥‥‥



「ぅあっ、ちょっまっ!!ふがががが」

薬をいきなり、俺の口に突っ込み、乱暴に水を流すと、顎と後頭部を抑え、おもいっきり縦にふった。くそ、ありえない何こいつ!!

「お前の猫が見たい」

あ、ごくんて音がした。











その後、俺だけ人間なのも‥‥とか言ってシズち‥‥筋肉バカも薬を飲み猫化。まぁ、いいか。1時間経てば元に戻るんだし、滅多に出来ない経験だから楽しんでよう。と、思っていた矢先、そう事件はこっからだったんだ。



「ねぇ、猫ってさ、器用にドア開けていくよね。アレって出来るもんなのかな」

せっかくにゃんこになれたんだから、実験してみようよ、なんて言いはじめた新羅にのった俺達も悪かったかもしれない。

「ぁあ、なんか出来そうだよな」


そう言って玄関のドアに向かって走ったのはシズちゃん。

走った勢いでドアノブに上り、その勢いでドアが少し開く。その隙間に体を滑りこませ‥‥‥‥‥‥

「おぉ‥‥‥‥出来るものなんだ」

あの筋肉バカに出来たんだから、俺に出来ないわけない。そう思って、あろうことか、俺もトライしてしまった。意外と上手くいったのだが、外に出た後、ようやく気付いたのだ。

「こっちは引かないとドア開かないじゃん」

「あ」

筋肉バカも気付いたらしい。

出る時は押せば開いたけど、さすがに引くことは出来ない。

やば‥‥‥とか思ってるうちに、新羅も出てきた。

いやぁ、出来るもんなんだね!!僕でも出来たよ、‥‥と、事態もわからず自慢げに話す新羅に、思わず飛び膝蹴りをしてしまったのは、仕方ないことだと思わないか?



そんなこんなで、ここにいるのもまずい、となった俺達は、池袋の街で途方に暮れていた。



そして話は冒頭に戻る―――





「‥‥‥‥で、どうする?これから」

「どうする‥‥‥‥ったって、どうするよ」

「家に入れないしねー」

ははっ、と笑う新羅が酷く憎たらしかったので飛び膝蹴りをかましてやった。大体こうなった原因はお前じゃねーか!!


「いたたたた、ひどいよ臨也」

「ひどい、じゃないよ!!新羅のせいだろ!!あぁ、もうシズちゃんなんて昼寝始めてるし、もっと焦ろよ!!!」


―――と、その時

「ん‥‥?なんで臨也と新羅の声がするんだ?」

「どっ、ドタチン!!!!救世主!!!!あーもうドタチン愛してる!!ドタチン、ラブ!!!!!!」

「???」








――結局、そばをたまたま通り過ぎたドタチンにタックルかまして事情を話し、目を丸くしつつも、新羅の家の窓を壊してもらったのだが、無事人間に戻れた後、呆れたドタチンが珍しく笑顔で言ったのが、





三人寄れど馬鹿は馬鹿


むしろ互いに馬鹿を助長してないか?












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駄作ですみません!!
素敵企画サイト様「どうにでも、」に提出させていただきました
お目汚し申し訳ありません


ちなみに臨也は黒猫
静雄はどちらかというと犬だと思うんですけど、昼寝とかしてたら可愛いですね^^





 







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