2013お正月 | ナノ
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side.J

さんさんと太陽が輝く中、家主の許可も取らずに重厚な扉を開く。そのまま少し待機するも、いつも直ぐに駆けつけてくる執事役の男は出てこなかった。後ろに佇む花京院に視線をやれば彼もキョトンとしている。


「留守、かな?」

「なら鍵くらいかけてくだろう」


何かあったのかと一歩踏み出そうとしたその時、廊下の先にある扉から名前が出てきた。


「…あれ、承太郎に典明君?」


一瞬びっくりしたように固まった後、目を細めておれ達だと確認した名前が笑った。その手には書類が積まれている。とことこと近づいてきて不思議そうに首を傾げた。


「久しぶり。こんな朝早く急にどうしたの?」

「DIOに郵便じゃ駄目な届け物があってね」

「おれは丁度暇だから着いてきた」

「暇って…大晦日に暇って言うのもどうなのさ」

「暇なんだから仕方ないだろ」


だったらホリィママの手伝いするとかさぁ、とぶちぶちと小言を続ける名前の頭を撫でて無理矢理止めた。


「名前は忙しそうだね」

「うん。私も今年は忙しくて。大掃除が今日になっちゃったよ」


まあ、テレンスさんがいつもやってくれてるから大分楽なんだけど、と名前が苦笑する。


「そういやそのテレンスの野郎はどうしたんだ?」

「年末だしお休み。ダニエルさんとベガスで一儲けしてくるってさ」


きっと今頃楽しんでるんじゃない?と少し素っ気なく言う。賭け事が好きな名前の事だ、着いて行きたかったのかもしれない。


「ま、入ってよ。今日はDIOも起きてるし」

「珍しいな」

「彼でもこんな時間に起きてるんだ」

「うん、書類とかDIOじゃないと分からない事もあるしね」

「へえ」

「ま、やるのはそれくらいだけど。承太郎と一緒でDIOも片づけ下手だから」


そう言って肩を竦める名前をあいつと一緒にするなと小突いておいた。痛い!なんて大げさに振舞いながら歩き出す名前に続く。歩きながら見渡しても埃も落ちていないし、大掃除の必要があるのかと不思議に思った。


「…掃除の必要あるのか」

「んー、まあお互いの仕事部屋とかはテレンスさんには頼めないし…あとは寝室と書庫は一応やっとこうかなって」


ほんとテレンスさんが居なかったらと考えると恐ろしいよ、と笑う名前にそれはそれで文句を言いながらも楽しそうに掃除してそうだ、とは言わなかった。

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