暫くしてようやく帰ってきたギアッチョを皆で迎える。そしてワインの栓が抜かれ、机に料理が並びパーティーが始まった。
「じゃあ、プレゼント配るねー」
「そんなのあんのかよ」
「もちろん!ホルマジオにはー…猫のカレンダーと猫と遊ぶおもちゃセットです!」
「お、中々いいな。ありがとよ」
「イルーゾォには、アンティークの手鏡!…どうかな?」
「ん、…嬉しいよありがとな」
「ふふー!プロシュートには皮の手袋ね!」
「…何時の間にオレの分まで買ってたんだ?」
「プロシュートが他の所身に言ってる間にペッシと選んだんだよ!」
「そうか、悪くねえ使わせてもらうぜ」
「ペッシにはルアー買ってみたんだけど」
「うわー!ありがとう、嬉しいよ!」
「ギアッチョには、新しいゲーム!このシリーズ集めてたよね?」
「ああ、良く覚えてたな」
「まあね!メローネには…」
「オレには?」
「…変態を増長させるようで嫌なんだけど、前に欲しがってた手錠と目隠しのセットを…」
「ありがとう!早速今晩使おうかナマエ!」
「使わないよ!ゴホン!ソルベとジェラートにはおそろいのマグカップ!可愛いでしょこれ」
「うん可愛い!ありがとな!」
「すまないな」
「いえいえ。で、リゾットには新しい万年筆!もう今使ってるの大分古いでしょ?」
「良く見ていたな。…ありがとう」
「もっと仕事頑張れってことだな」
「ちょっとプロシュート!そう言う事言わないの!」
「へーへー。じゃ、今度はオレからお前にプレゼントだ」
「へ?…香水?」
「ああ、お前にぴったりだと思うぜ」
「うわあ、ありがとう!」
「ストップストップ!プロシュートにだけいい格好なんてさせないぜ?はい、これ欲しがってたろう?」
そう言ってウィンクしたメーロネが可愛らしい財布を差し出したのを皮切りに皆から色々なものが渡される。
「…いいの、こんなに?」
「当たり前だろ」
「いつも美味い酒飲ませて貰ってるからな!」
そうそう、と笑う皆に私も満面の笑みを返す。なんて幸せ者なんだろう私!
「で、ギアッチョはナマエに何も渡さないのかよ」
「…お前らと違って気が利かねーからな、なにもねーよ」
メローネの問いにそっぽを向くギアッチョ。…自分だけ何も用意してなくて気に病んでいるのだろうか。でも、別に私自身はそんなこと気にならないし、今日を楽しんでくれればそれで十分だ。そう伝えようとする前に皆が悪乗りしてギアッチョに罰ゲームだのなんだの言いながら酒を煽らせる。…ギアッチョも怒った顔はしているが笑顔が戻っているし、わざわざもう一度水を差す事はないだろうと見守ることにした。
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