「ボンジョルノ」
「「ボンジョルノ」」
リビングに行くとホルマジオとイルーゾォが居た。挨拶をすると振り向いて返してくれた。ちなみに人のコンプレックスを踏みにじって下さったメローネは一発殴っておいた。今頃まだ悶絶しているだろう。
「二人は今日何か予定ある?」
「いやオレはねえよ」
「オレもないけど」
「そ、じゃあパーティーに参加してね」
「「パーティー?」」
「うん。ナターレだし少しは楽しんでもいいかなあと」
「ふーん。まあいいんじゃあねえか」
「ナターレに皆で騒ぐなんて久しぶりだな」
「楽しみだねー」
「…胃が痛くもなりそうだけどな」
顔を顰めるイルーゾォに苦笑するしかない。酒に弱い彼は何故かいつも寄ってたかって潰されてしまうのだ。翌日は真っ青になってトイレと鏡の中を往復している。
「ま、まあたまにはいいじゃねえか!なあ!」
「そ、そうそう!楽しもうよ」
「ああ…」
俯くイルーゾォの頭を撫でながら、ホルマジオと顔を見合わせてこっそり笑った。
「にしてもお前も物好きだよな」
「へ?なんで?」
「だっていつもオレらが騒いだ後に後片付けしてんのナマエだろ?」
「え、そうなのか?」
「ああ、まあねえ」
「そういやナマエが来てから酒盛りした次の日に物が散乱しなくなったな…」
「ああ、毎回いい酒も買ってきてくれっし。なのによく自分からやろうと思うな」
「片づけは苦じゃないしお酒もねえ…。基本あんまりお金使ったりしないからそう言う時位はね」
「やっぱ物好きだな」
そう言って笑うホルマジオに口を尖らせておく。ついでに八つ当たり気味にイルーゾォの頭を撫でくりまわしてみた。艶々とした黒髪が羨ましい。
「止めろよー」
「いいじゃん、撫でさせてよ」
「だったらもうちょっと丁寧にやってくれよ。そんな勢いよくやられたら痛いだろ!」
「禿げるし?」
「そうだ、ホルマジオみたいになったらどうする!」
「ああ、そりゃ大変だ」
「オレは禿げじゃなくて坊主だ!」
かなり本気で怒っているホルマジオに二人で引きつりつつ謝っておく。…そんなに必死だと逆に怪しいぞホルマジオ。
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