/ Hello!Hello! \ 走っている内にヴァニラの部屋よりもDIOの部屋の方が近い所まで来てしまった。しかたない、ヴァニラがトリかな、なんて思っていたら丁度ヴァニラがDIOの部屋から出てくるのが見えた。ラッキーなことにDIOの所に行っていたらしい。 「ヴァーニラ!お菓子頂戴」 「…決まり文句も言えないのかお前は」 「だってヴァニラに悪戯するなんて日常茶飯事でする気起きないし。さぁ菓子よこせ」 差し出した手を叩き落とされムッとする。 「ハロウィンに子供にお菓子くれないとかヴァニラさんサイテー」 言ってる自分ですらイラっとする様な口調でそう言えば、ヴァニラの眉間のしわが深くなった。まあそうなりますよねー。 「相変わらず可愛げのないガキだな」 「知ってますー。…まあでも何時もヴァニラには悪いことしてるし。"私から"贈り物をあげるよ」 私の言葉に警戒するヴァニラの後ろにスタンドを出し、ヴァニラの肩を掴む。ヴァニラが振り向こうとする前にその場から消えうせた。少し重たくなった肩を回しつつ、バスケットの中身を見ながら何から食べようか頭を悩ます。 大体10分ほどしてからヴァニラを出してやれば、ガシリと肩を握られる。…あれ、外したかな?命の危険を感じつつヴァニラを見上げれば、逆光ながら血走った目が見えた。…ごめん承太郎。私今日が命日かも知んない。 「今回ばかりは…!礼を言おう…!」 「…へ?」 呆気にとられる私に何処からかカラフルなチョコレートの詰め合わせを取り出して押し付けると、ヴァニラは小走りに去って行った。 私に礼を言うほど嬉しかったのか。なんだかヴァニラが少しばかり不憫になる。…DIOにもう少しヴァニラに構ってやるように言ってやろう。そんな事を思いながらDIOの部屋の扉をノックした。 …ヴァニラを入れた世界は、『ヴァニラを右腕として可愛がるDIOの居る世界』だった。 ≪*≫ ← |