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Hello!Hello!




気を取り直してまずは広間から攻めることにする。誰かしら居るだろう。


「あっ!ラバーソールとダン君発見!」


扉を開けば案の定見慣れた二人が居た。


「ラバーソール!ダン君!Trick or Treat!」

「ほら、持ってけ」


バスケットを差し出しながらそう言えばダン君は面倒くさげに何かを入れてくれた。覗き込んでみれば可愛らしい包装。…どんな顔をして買ったのか非常に気になった。


「じゃあおれは悪戯で!」

「「…」」


いやいや、空気読めよ。ダン君と二人ジットリとした目を向ければラバーソールは慌てだした。


「じょ、じょーだんだって冗談!もう、先輩も名前も嫌だなーそんな顔しちゃって!」


ごそごそと取り出したのはテレンスさんがくれたのと同じくらいの瓶だが、中には色とりどりの金平糖が入っていた。


「おお!綺麗!」

「お前にしては随分とまともだな」

「うっわ、先輩ったらしっつれー。おれ案外こういうの選ぶの得意なのよ?で、お気に召してくれた?」

「うん!ありがとう!」

「じゃあ次行ってこいよ」

「はーい!後で一緒に食べようね!」


そう言えば嬉しそうに笑うラバーソールと少し表情を緩めるダン君。…案外この館の人って甘党多いよなー。
そんな事を思いつつ次へと歩を進めた。