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Hello!Hello!




拝啓 空条承太郎様

承太郎、お元気ですか。私は元気でやっています。
いえ、お元気ですかというのはおかしいですね。だって今は1890年。あなたが生まれるよりもずっとずっと前の時代で。むしろ、もしかしたらあなたは生まれない世界なのかもしれない。そんな事を考えると今も胸が痛みます。

…私の何がいけなかったのでしょうか。ふとこの世界の事を思い出しながら眠りに着き、起きた時にはこの世界になっていました。何時の間に世界は一巡したというのでしょう。
来たばかりの時は幼くなった身体や、もうあなたやDIO、ホリィママに典明君…大切な皆にはもう会えないのかと泣きくれたものです。

ですがここ数年で、私も少しばかり成長しましたし、…こちらの世界にも守りたい大切な存在と言うものができました。正直、今後どうなるのか。私にはもう未知の領域となってしまいました。人の記憶と言うのは弱いものですね。大切な事でも直ぐ忘れてしまう。
でも、貴方達の事は忘れません。今までも、これからも。
…いつかまた会いたいです。そして、その時は私の守りたい大切な友人達も一緒に居れたら、と夢想してしまいます。…こんな事を言ったらあなたはきっといつものように苦笑するのでしょうね。

私はこれからスティール・ボール・ランという大会に出ます。辛い道程になるとは思いますが、きっとあなた達との旅を思い出して懐かしい気持ちの方が勝つのでしょう。
ああ、友人が呼んでいます。行かなくては。

…いつか、またあなたと会った時は、沢山のお土産話をしてあげますね。
では。

敬具 空条名前

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