メローネの首を掴むプロシュートの手に更に力が籠った。しかしメローネの表情は変わらない。良い度胸だ、死ぬギリギリまで絞めてやろうか。そんな物騒な考えがプロシュートの脳裏を過ったその瞬間。名前が小さく唸った。
「名前!」
メローネから手を離し、ベッドを振り返るが返事はない。まだ意識が戻ったわけではないのだ。顔を顰めるプロシュートに、何度か咳き込んだメローネが懲りずに笑った。
「いつもみたいにお高く留ってないあんたもいいね!余裕のない感じがベネ!」
「うるせえ黙れ変態」
僅かに冷静さを取り戻したプロシュートがそう言えば、その罵りっぷりもいい!と嬉しそうに言うものだからプロシュートは頭が痛くなってきた。
「…名前早く起きりゃいいのに。あんたがそんな心配してったって聞いたら喜ぶぜ?」
その言葉に振り替えればメローネの笑顔はもうからかう様なものではなかった。
「…心配してんなら素直にそう言やいいだろ」
「あんたをからかえる折角のチャンスをオレが逃すはずないだろう!」
「死ね」
「その冷たさがいい!」
「本当に黙れお前」
呆れたように言うプロシュートを一頻り笑うとメローネはごそごそと何か取り出した。プロシュートに差し出した手には錠剤が一つ乗っていた。
「なんだそれ」
「おじいちゃんが渡し忘れてたってさ」
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