おまけ 「…そういえば、何故DIO様の所には行かなかったんですか?」 「行こうかと思ったんですけど、DIOに言ったらきっと一緒に祝うとか言い出すと思って」 そうしたら掃除も進まないし、ケーキも食べられちゃいそうでしょう?とぼやく名前に苦笑を返す。主であるDIO様を庇おうにもその情景がありありと想像できてしまって、庇うに庇えない。 「あ」 「どうしました?」 「さっき、何考えてたんです?凄い難しい顔してましたけど」 名前の言葉に口に含んだ紅茶を吹き出しそうになるのを何とか堪える。ぎりぎり飲みこんだが、咳き込む私に目を丸くする名前。 「…名前」 「は、はい。大丈夫ですか?」 「ええ。それより、一つ約束して下さい」 「約束ですか」 「はい。…好きな人が出来たら絶対に報告してくださいね」 「…は?」 「いいですか?」 「わ、分かりました」 何を言っているんだ、という顔をするが、真剣に見つめれば背筋を正して頷く。それを見届けながら、まず私を突破しなければDIO様の許可を得るのは絶対に無理だろう、なんて考える。…どこの誰かは分からないが、将来大変な思いをするであろうその人物に少々同情を禁じ得ない。 まあ、手加減など更々する気はないが。 |