一歩部屋から出るとそこはイケメンパラダイスでした。
「おー、遅かったな!」
「大丈夫?疲れちゃったのかな?」
「顔色は悪くないっすけどねー」
「さっさと席付け」
「うん」
なんだかこのメンツの中に入るのが恐れ多い気がするが促されては仕方ない。そろそろと空いている席に着くとジョナサンさんがトーストと目玉焼きをくれた。それを齧りながら机を囲む彼らを見回す。
ジョナサンさんは昔感じたイメージそのまま爽やかで優しそうな雰囲気だ。ジョセフおじいちゃん…この若さでおじいちゃんは申し訳ない気がするのでジョセフさんと呼ぼう。ジョセフさんはやんちゃそうな感じが前面に押し出されている振る舞いだ。仗助はそんなジョセフさんに小言をいいながら同じようにトーストを齧っていた。承太郎は普段とあまり変わらないのでまあいいだろう。
…はてさて、ここはどういう家族構成なんだろう。年齢はそれぞれの部に対応しているのかジョナサンさん、ジョセフさん、承太郎、仗助の順の様だが。でもやはり上二人は外人さん、という風体だしした二人はハーフと言うかそういった感じである。兄弟、というには違和感がある。
内心首を捻っていると承太郎と目が合った。
「…食ってねえみたいだが体調でも悪いのか?」
「え、あ、大丈夫だよ!」
顔の前で手を振るとそうか、と言ってそれ以上の質問はなかった。その眼に今までと変わらない優しさが見え隠れしていて、どこでも承太郎は承太郎だなあ、なんて思った。
「それにしてもまさかこうして皆と暮らせる日が来るなんて思ってなかったなあ」
食後のお茶を飲みながらジョナサンさんが朗らかに笑う。…ふむ、ずっと一緒に暮らしてた、ってわけではないのか?
「にして親父も唐突だよな〜」
「そりゃこっちのセリフっすよ…」
からからと笑うジョセフさんとは対照的に仗助は口を尖らせていた。一体全体どういう家族構成なのか聞きたいが聞けない。頭を抱えたくなるのを我慢していると、ジョナサンさんがそんな私に気付いた。
「頭でも痛いのかい?」
「あ、いえ…」
「…そういやこいつには詳しく説明してなかったな」
ぽつり、と承太郎が呟き皆が一斉に顔を向ける。
「え?お前何もいってねーの?」
「兄貴たちが引っ越してきてこのメンツで住むってことは言ったぞ」
「それどう考えても理解出来ないじゃないっすか…」
「どうせ分かることだから事細かに説明すんのもなんだと思ったんだが…」
「それにしたってよお…」
承太郎が総攻撃を受けているのを眺めていると、ジョナサンさんがいつの間にか紙とペンを持ってきてくれていた。
「じゃあ、名前の為にもう一度現状を整理しようか!」
…ああ、あなたの背中に羽が見えます!!!
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