神隠しの少女 | ナノ






「落ち着いた?」
「…ん」

いつの間にか食事を終えていたスタンドを戻せば一瞬茉莉香が残念な顔をする。どうやら本当に触りたいと思っていたのだと気付いて、ラバーソールは少し脱力した。

「で、どうしたの急に」
「…お前が平気そうだから」
「は?」
「俺のスタンド見たのに平気そうだから」

呆気にとられた様な顔をする茉莉香に畳み込むように繰り返せば、理解が出来ないと言った表情で唸りだす。

「怖がるとか普通あんだろ」
「いや、だってラバーソールが私に攻撃する訳じゃないし、怖がる必要ないじゃん?」
「目の前で人が溶かされてんだぞ」
「ああ、まあグロテスクって言えばグロテスクだよね」
「なんでそんな軽いんだよ…!」

ラバーソールが静かに、しかし強く言えば茉莉香は今度こそ困ったように顔を歪めた。ラバーソールが何故こんなにも怒っているかが分からないのだろう。だが、ラバーソール自身も自分の怒りの理由が分からないままだった。

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