神隠しの少女 | ナノ
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「で、その提案ってなんだったんですか」
「DIOぐるみを亀甲縛りにして吊るしときました」

一瞬誰もが黙りこみ、ヴァニラと私を除いた三人が笑い出す。うん、想像したら笑える絵面だよね。実際私も爆笑しました。

「それで、帰ってきたヴァニラがそれを見て怒って追いかけて来たわけで」
「当たり前だ!DIO様を模した人形にあのようなことを!」
「そりゃDIOが自分じゃやりたくないって言ったから縛ったのは私だけど、言いだしっぺはDIOじゃん」
「確かに、発案者はDIO様ですね」

未だに笑いながらテレンスさんが同意してくれる。そうだよ、私が怒られるならDIOも怒られなきゃ不公平だよね!

「だが…!」
「まあ、でもDIO様と茉莉香の両方とも悪いと言えば悪いですが」
「ええー…」

テレンスさんも味方にはなってくれないのか…!

「茉莉香、DIO様を呼んで来てください」
「…はーい」

言われた通りにDIOを連れてくる。

「DIO様!このようなことにお呼び立てして申し訳ございません!」
「構わん」
「…ヴァニラのキャラムカつくわー」
「さて、茉莉香、DIO様…そこにお座りください」

テレンスさんが指差したのは何もない床で。…正座ってことですね、はい。
私が正座すると、DIOも渋々並んで座る。ヴァニラが慌ててやめさせようとするが、テレンスさんに止められてた。

「さて、どうしたらいいか分かりますね?」

にこりと微笑むテレンスさんは笑顔なのにさっきのヴァニラよりも背筋が寒くなる。

「えっと、ごめんなさい」
「…二度とするなよ」

ヴァニラに頭を下げれば、苦虫を噛み潰したような顔をしながらも許してもらえた。

「いい子ですね。冷蔵庫にケーキが入ってますから食べていいですよ」
「本当!?」

いそいそとケーキを持って机に座る。残されたDIOは視線を泳がせていた。

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