神隠しの少女 | ナノ
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「#幼馴染」のBL小説を読む
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…2時間前

『…暇だな』
『暇ですね』

DIOの部屋に遊びに来たはいいが、特にすることがない。持ってきた本は読み終わってしまったし、トランプなんて洒落た物も持ってない。テレンスさんは買い出しに行ってるし、ヴァニラも仕事があるらしい。
…ヴァニラと言えば、どんな部屋で暮らしているんだろう?テレンスさんやDIOの部屋には入ったことは有るけど、ヴァニラはないな。

『ねえねえ、ヴァニラってどんな部屋なのかな』
『入ったことが無いから分からんな』
『そっか。…今、ヴァニラ居ないんだよねー』
『そうだな』

お互い視線を合わせた後、にやりと笑い腰を上げた。さて!面白いものは有るかなっと!

扉を開けると、必要最低限の家具だけが迎い入れてくれた。素っ気ないとすら言える物の少なさに肩を落とす。

『特にこれと言って面白いものはなさそうだね』
『そうだな』

ヴァニラじゃアハ〜ンな本とかも持ってなさそうだしな…。とはいえ一縷の望みにかけるか…とベッドに近づくと、シーツの上に何かが置いてあった。
色や大きさから何となく正体に気付きながらも、恐る恐る持ち上げてみれば、やはり。…DIOがデフォルメされたぬいぐるみだった。


「…あなたDIO様のぬいぐるみなんて作ってたんですか気持ち悪い」
「テレンスさん厳しいね!」
「うるさい!DIO様がお側に居るだけで幸せなのだ!」
「まあまあ、で、ヴァニラさんは部屋に入られたことに怒ってるわけ?」
「そうじゃない」
「うん、まあ…続きがあるんだよね」


『…DIO、面白いもの見つけたよ』
『…なんと言えばいいか困る代物だな』
『ですよねー』

見つけたはいいが、どうするかに悩む。…オーソドックスに隠してみるとか?
結構細かいところまで作りこまれた人形を観察しながら考え込む。

『…私にいい案がある』
『いい案?』
『ああ』

DIOが出した提案はなかなかに面白そうなものだった。

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