神隠しの少女 | ナノ






※下ネタです


広間に入ると承太郎たちと、ラバーソール達が離れた所で談笑していた。少しづつ確執は無くなっているようだが、仲良くなる必要も切っ掛けもないから私が居なければそれぞれに固まっているのも仕方ないとは思う。とはいえ出来れば仲良くなってほしい、と思うのは流石に我儘だろう。どちらに混ざろうか悩んでいると、ラバーソール達が珍しく難しい顔をしているのに気が付いた。一体何事かと思いながらそちらに歩を進める。

「なに話してんの?」
「おー。いや…」
「自分たちのスタンドをもっと有効活用できねえかって話を少しな」
「…はあ?」

思わず口があんぐりと開く。いや、確かにこの人たち優秀なスタンド使いだよ?実力経歴ともに申し分ないよ?でも…。

「何?雪でも降らせたいの?止めてよ」
「失礼だな!」
「いや、だってさあ…」

なんつーかさ、そういう真面目な感じに合わないよね。全体的に自分の能力過信して負けてきた人たちだし。いや、だからなのか?
うーん…と悩みつつダン君にずれて貰って輪に加わる。

「有効活用ねえ」
「茉莉香が俺にやらせたみたいになんか今までのやり方以外にもいいのあるんじゃねえかなって思ってんだけどよお」
「まあラバーソールのは見るからに応用が出来そうだしね」

でもホルホースさんみたいに形も使用方法も決まってたりデーボさんみたいに発動条件がある人は難しい気がする。

「姫さんのは使い勝手良いよな」
「でもその分体力の消費とか激しいですしね。使い道は沢山あるけど使い方は気を付けないと」
「その辺は一長一短かあ」
「とりあえずホルホースさんはボディガードとかその辺ではかなり力強いじゃないですか」

ボディチェックとか意味をなさないから今後活躍の場は沢山あるだろうし。

「デーボさんはほら…お菓子作り上手いし」
「スタンドじゃねえだろ…」
「うーん…」

デーボさんは難しいとしてダン君辺りはどうだろうか。脳みそに入れるんだから…。

「ダン君脳みそ弄って相手の行動制御できるとかないの?」
「脳は複雑だからな。そんなことが出来たらもっと安全なやり方で荒稼ぎするぞ私は」
「例えば?」
「大富豪に私に財産譲渡させたりとか」
「うっわあ…」
「サラッとあくどいこと言ったわこの人!」
「うるさいな。金は大事だぞ」
「そりゃそうだけどさあ。でも結局自分の感覚相手に返すだけ?」
「だけってなんだ、だけって…。後はまあ脳みその血管詰まらせたりとか?」
「それは殺し以外で役に立たねえな」
「半身不随とか細かい調節は無理だしねえ」
「お前のその発想も大概だからな」
「さーせん」

唇を尖らせるダン君に謝りつつ何かないか考えて。

「あ!」
「どうした?」
「いや、有効活用ってんじゃないけどダン君のスタンドで凄い気になることがあったわ」
「なになに?」

身を乗り出してくる皆に意気揚々と口を開こうとして…。

「…駄目だ!この場では言えない!」
「なんでだよー」
「健全な男子高校生たちのいる場で話せる話じゃなかったわ…」
「え?なにそれ?えぐいの?えぐいの?」
「えぐいって言うか卑猥?」

私の言葉にデーボさんとダン君が咳き込んだ。それに対しホルホースさんとラバーソールは目を輝かせる。

「何それ聞きたーい」
「んだよ勿体つけんなって」
「いやだから未成年のいる場で話せないから」
「いいじゃんいいじゃん!承太郎たちも聞いてないって」
「俺らが何だって?」

背もたれに手を置かれて影が出来る。上を向くと承太郎が不思議そうな顔をしていた。

「なに承太郎先輩盗み聞きー?」
「この距離でデケエ声出してりゃ聞きたくなくても聞こえんだよ。で、何が卑猥だって?」
「…あれだな、お前さんの口から卑猥って言葉が出んの似合わねえな」
「うるせえよ」



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