「DIO様に嫉妬ねえ」
「だーかーらー、一時の気の迷いですって」
「そうかしら」
「そうは見えないわよねえ」
顔を見合わせて笑うマライアさんとミドラーさんは眼福だ。だがしかし。両サイドから責められる側となっては溜まったもんじゃない。
「でも私たちからしたらやっとか、って感じよねえ」
「そうそう」
「…もう言っている意味が分かりませんよ…」
肩を落とす私に二人は力説を始める。曰く、DIOが実はロリコンじゃないかと思うほど私には優しかった、だとか、成長しても変わらないところからやはり私は特別なのだ、とか。
「っていうかどこの馬の骨とも知らない奴にDIO様独占されるよりは茉莉香とくっついて欲しいのよねえ」
「それなら私たちも安心だしね」
「安心って…」
微笑む二人に癒される反面、精神力を大いに削られている気がして私は笑うしかなかった。
結局その日は女子会的な集いで終わりDIOと顔を合わせることなく帰った。そして数日後。
「…やあ」
「来ていたのか」
またあんな場に居合わせては堪らないと寝室には行かず、広間の方で寛いでいるとDIOが下りてきた。普段よりも早い時間に下りてくるものだから驚いてつい素っ気ない挨拶になってしまう。
視線を合わせない様に紅茶を眺める。微かに手が震えているのか、波紋が出来ては消えて行った。
…ここ数日、テスト勉強も手が付かないほどマライアさん達との話を反芻して、辿り着いた答えは、私は彼が好きだということだった。友人ではなく、一人の女として
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