神隠しの少女 | ナノ
×
人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -






戻るとデーボさんがげっそりしてた。…色々聞かれて疲れたんだろうなあ。

「ただいまー」
「お邪魔しまーす」

私達の声に一斉に皆が振り向く。なにその団結力。怖い。

「えーっと、彼がラバーソールなんだけど…説明は…」
「デーボから聞いた」

うん、でしょうね。

「どうもー、ハンサムです!」

にっと笑ったラバーソールに冷やかな視線が突き刺さる。

「…ラバーソールの絶対防御って心の事だったんだね」
「それどういう意味!?」
「いや、よくこの顔面偏差値の高さの中でそんな事が言えるな、と」

漫画読んだ時も思ったけど、典明君の顔を経て、承太郎の前でハンサム顔だ!ってなかなか言えないよね。いや、ラバーソールもそれなりに綺麗な顔立ちだとは思うよ?好き嫌いは分かれそうだけど。

「…え、おれってハンサムじゃない?」
「疑問形に見せかけて随分と断定的な言い方だね…。ハンサムじゃないとは言わないけど承太郎とか典明君と比べると、さ」

視線を逸らしつつ語尾を小さくするとラバーソールはええ、っと呟く。

「どうしよう、オレのアイデンティティーが…」
「君の存在意義ってそこなんだ…」

うん、フルボッコになる前に掬ってあげた私に感謝してくれ。

「…ええと、茉莉香。そやつは本当に大丈夫なのか?」

…大丈夫か、の中に含まれてるのは戦力として、という意味なのか頭の痛さ的な意味なのか。どちらかは分からないが曖昧に笑っておいた。

[ 3/3 ]

[*prev] [next#]
[mokuji]
[しおりを挟む]