言いたい事は分かっているのだろう。ブスっとしながらもちゃんと話は聞いてくれている。そんなデーボさんに笑いをかみ殺しながら口を開いた。
「では、私と契約しませんか?」
「…仕事の内容は」
「我が家の警護ということで。第一優先事項は母を危険から守る事です」
「報酬は」
「DIOから巻き上げたお金がどっさりと!」
にいっと笑えばデーボさんも笑う。わっるい顔してんなあ。そんな私にポルナレフが目を見開く。…ああ、DIOとのことは言ってなかったしなあ。まあ後で承太郎達から聞いて頂こう。
「どうです?」
「いいぜ。それ相応の対価が支払われりゃ文句はねえ」
「と、いうことです」
呆気に取られている皆さんにぺこりとお辞儀を一つ。一拍間をおいてから皆好き勝手喋り出す。
言っちゃ悪いが煩いことこの上ない。顔を顰めるのを堪えつつ、問いかけられる質問を一つずつ掬いながら応えていく。
「DIOがそれを許すのか!?」
「デーボさんのスタンドと彼の性格的に態々始末するとは考えにくいねー」
「裏切る可能性は!」
「金での関係は更なる金で上塗り可能です」
「お前DIOとあったことあんのかよ!」
「それは承太郎にでも聞いてください、説明すると長いので」
「でも危険じゃないかい?」
「いざとなりゃデーボさんの眉間に一発銃弾撃ちこみゃスタンド使う間もなく終わるよ」
そこで静かになる。とりあえずこんなところか、と思っているとなんとも言えない雰囲気だった。首を傾げているとポルナレフがぽつりと一言。
「…銃弾撃ち込むってえげつねえだろ…」
…だってそうでも言わなきゃ納得しないじゃん君ら!!!そう叫びたいのをなんとか堪えながら苦笑いを浮かべるに留まった。
「…で、おれを雇うのか?」
「私はそうしたいんだけどねえ。…ジョセフおじいちゃんはどう?」
結局こうしてバレてしまった以上私には決定権は無いのだ。財団の許可を取る為にはジョセフおじいちゃんの許可が必要な訳で。ジッと見つめていると、少し考えてから口を開いた。
「…茉莉香の話に矛盾は見れんしのう。スタンド使いが襲ってきた時に財団の者たちだけでは対処しきれんのも事実。それが一番得策じゃろう」
流石不動産王、物分かりがいい。にやりと笑えば悪い顔してんぞ、と隣から小さい声で突っ込まれる。…デーボさんに言われたくないわ、まじで。
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