神隠しの少女 | ナノ






そうして心強い?見方を手に入れて3日。私は焦りに焦っていた。協力者と連絡がつかなくなったのである。

協力者と言うのはDIOに頼み込んで借りた肉の芽入りの非スタンド使いだ。DIOはホリィママを救うための手助けに少々渋ったが、最終的には説き伏せた(泣き落としとも言える)。
まあ、そんな経緯で手に入れた協力者との連絡が取れない。
一度監視の目を潜り抜けて、待機してもらっていたビジネスホテルまで行ってみたがもぬけの殻だった。DIOの肉の芽が植えつけられている以上逃げたとは考えにくい。…DIOが私を裏切った?いいや、それこそ有り得ない。というかそんなことが有った日にはもう一度生首だけにしてやる。

苛々と机を指で叩きながら舌打ちをする。ああ、思わぬ事態に私のキャパシティは容量オーバーぎりぎりだ。元々頭も良くなけりゃ脳味噌の回転が速いタイプでもないのだからこういうイレギュラーは勘弁して頂きたい。
てか皆機転利いた行動取れ過ぎだよね、よく咄嗟に行動できるもんだ。少々妬ましく思いつつ思考を巡らせる。
協力者と私は未だに顔を合わせて居ない。計画と必要なものはテレンスさん経由で終わらせていた。こんなことになるならしっかりとコンタクトを取っておくべきだった、顔も分からないのではスタンドでも会いには行けないじゃないか。SPW財団の監視とかごちゃごちゃ考え過ぎたかな…。

深々とため息を着いたその時、部屋の扉がノックされた。返事をすると、監視役のお兄さんが入ってくる。

「どうかしましたか?」
「ジョースターさん達が香港に着いたそうです」
「…そうですか」
「ええ、早速スタンド使いと交戦したとの報告が」
「皆怪我は…?」
「大丈夫、皆さん元気だそうです。敵のスタンド使いもDIOの洗脳が解けて旅に同行するそうですよ」
「ならよかった…」
「今港に向かっていて明日の朝シンガポールに向かいます」

安心させようとしてるのか微笑みながらそう言うお兄さんに私も笑いながら頷き返しておく。
…もうポルナレフと戦ったのか。となると、次は出向かなくてはならない偽船長戦である。この二進も三進も行かない状況だと言うのに、運命とやらは構わずに進んで行くのだ。もう一度ため息をつきながら、微かに感じた頭痛に眉をひそめる。
…とはいえやることはやらねばなるまいし、時間は止まらないわけで。

「さて、頑張りましょうかね」

ここが、第一の正念場だ。
…後何回正念場があるか分からなくて嫌になるがな!

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