神隠しの少女 | ナノ






昨日は結局承太郎の出所祝い、と冠した宴会になってしまった。まあ、主役の筈の承太郎はお酒飲ませてもらえなくて不満そうだったけど。少し早めに起きて昨夜の片付けと朝食を作っておく。…洗濯とかは流石に任せても平気、だよね?
自分の分のご飯をよそっていると、承太郎が入ってきた。

「あ、ご飯食べる?」
「ああ」
「今日は朝から学校行くの?」
「たまにはな」
「…たまに、じゃまずいと思うんだけど。進学とか大丈夫な訳?」
「問題になるような頭してねえよ」

うっわー、世の学生の大半を敵に回しそうなお言葉だこと。

「そ、ならいいけど。はい」
「おう」

それから他愛もない話をして、お互い家を出る。…高校と小学校って位置が真逆なんだよなあ。折角だからマリオネット持ってる典明君見たかったよ…。彼あの後一回もマリオネット出さないんだよね。一体何処に隠し持っていたかな…。
そんな事を考えながら授業を受け終え、帰宅することにする。…今頃典明君の肉の芽は抜き終わっているのだろうか。あのシーンは見たいような見たくないような。案外グロいというか精神的にキそうなんだよね、あれ。なんせ承太郎の麗しいお顔に触手が這って行くっていう…。うん、DIOのこと殴りたくなりそうだから見なくて正解と言うことにしておこう。

帰宅すると丁度ホリィママが洗濯物を取り込んでいる所だった。

「茉莉香ちゃん、おかえり!」

私を抱きしめるホリィママからはお日様の匂いがしてホッとする。ただいま、と言いながら抱きしめ返せば、額にキスされた。

「やっぱり茉莉香ちゃんは可愛いわ―。承太郎ったらいっつも嫌がるんだもの!」
「当たり前だろ」
「あ、承太郎ただいま」
「おう。…和室に一人客が寝てるから近付くなよ」
「ん、分かったー」

…典明君の寝顔をちょこっと拝見したいなーなんて思ってませんよ?ええ、思ってませんとも!
…こっそりなら、バレないかな?

「茉莉香」
「ひゃい!?」
「…ちょっかい出すんじゃねーぜ」
「は、はーい…」

な、何故ばれた!恐るべき承太郎アイ…。

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