神隠しの少女 | ナノ






いきなり現れた小娘はこれまた何の予兆もなく私の眼前から消え失せ。消え去る瞬間何か言っていたようだが、それはこちらに届かずに終わった。

「DIO様、あのまま帰してよかったのですか」
「服装からしてこの辺りの者ではない。スタンドの全貌はまだ分からんが…あのような小娘では使いようもあるまい」

そう返せばヴァニラは納得したのかエンヤ婆を引き連れて部屋を出て行った。

やっと静かになった部屋で読書でもしようかと思っていると視界の端で何かがきらりと光った。それに目をやれば、見慣れないネックレスが椅子に引っ掛かっている。
餌の女の忘れ物かとも思ったが、この部屋に女を引き入れたことはない。…だとしたらあの小娘のものなのだろう。
手にとってみればあの年頃の娘がするには不釣り合いな落ち着いたデザインのネックレスだった。

それを手の中で遊ばせながらいきなり掻き消えた小娘を思い返す。声をかけた時は泣き出しておどおどしていたくせに、泣きやんだかと思えば控え目ながら好奇心旺盛に部屋を見まわしていた。エンヤ婆が入ってきたときに服を掴まれた時は内心驚いたものだ。
つい先ほどまで警戒していたくせに、すぐに懐き後ろに隠れる所が子猫を思い浮かばせる。

知らぬうちに口元が吊りあがっていることに気付く。どうやら自分でも気付かぬうちに中々気に入っていたらしい。
ネックレスを失くさぬように机の上に置いておく。アレはこれを取りに来るだろうか。もしも取りに来たのならばその時は。



…DIO様がロリk(殴)

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