※蒼夜様へ捧げ物



久しぶりに外に出たから、それがいけなかったのかもしれない。
ああでも、その時はしゃいで食べたきのみが駄目だったのかな…

「悠、悠、」
「N、だいじょうぶ?痛い?」

寝転がり、お腹に手を当て唸っているN。お腹が痛いらしい。

「手、つないで。お願い」
「え、でも、誰か呼んできたほうがいいよ」
「お願いだから、」

どうやら私は体が丈夫らしく、風邪も、お腹が痛くなったこともない。
Nにどうしてあげればいいのかわからないのだ。
たぶん誰か大人の人を呼んだほうがいい気がするけど、Nは手を握ってほしいみたい。

「これでいい?」
「ありがと、う」

眉間にしわが寄っている。かなり痛いに違いない。

「ほんとにだいじょうぶなの?N痛そう」
「だいじょうぶだよ」

間髪入れず返事をしてきた。でも…なあ。

「お医者さんに治してもらわなきゃ駄目だよ。すごく痛いんでしょ?」

人間は、すごく痛いとしんでしまうらしい。少し前、ポケモンにひっかかれたことがあったけど、そのときは痛くて痛くて、しんじゃうんじゃないかと思った。
N、すごく痛いのかな。
しんじゃったり…しないよね?

「N、だめだよ…Nがしんじゃったら私やだよ…。お医者さんに、治してもらおうよ、」

目からぽろ、となにかこぼれた。

「…だいじょうぶだよ、悠。ボクはしんだりしないよ」

汗をたくさんかいて、苦しそうな顔をしたNがゆっくり笑った。握ってないほうの手で私の頬に蝕れる。

「それにね…悠が一緒にいてくれたほうが、痛くないんだよ。お医者さんより、効き目があるよ」

顔をくしゃくしゃにして、Nは笑った。


「悠はボクのくすりばこだから」









「そういえばさ、Nはなんでお腹痛いと私の手、握るの?」

上から愛しい君の声が降ってくる。つながれた手の温もりで、痛みが若干薄らいだ。

「さぁ……なんでだろうね。」


(覚えてないのかぁ…)

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