コートに全部員が集まる様子には圧倒されるものがあった。
ちらりと横を盗み見れば、可愛らしいジャージを着た転校生がいる。
ああ、こういうことだったのか。
……これだけなのかな。
この美少女、転校初日に榊先生に直談判しに行ったらしい。もちろん、マネージャーになる許可を貰うために。
なかなか信じられないが、榊先生は直ぐに許可を出したらしい。どういうことだろう、マネージャーは二人も要らないはずだ。
ため息をついて、目線を戻した。考えたって仕方ない、顧問が決めたことなのだから。

「えっと、新しくマネージャーになりました、神崎雪乃です! 精一杯頑張るので、よろしくお願いします!」

きゃるん、という効果音がつきそうな程の笑顔を浮かべ、お辞儀をした彼女。その姿に、言いようの無い不安感が胸中に満ちる。もやもや、もやもや。

「高橋、色々教えてやれ」
「……あ、はい。わかりました」

そう言うと、榊先生は校舎に戻っていった。会議があるらしい。
反対意見が出ないものかと思ったが、平部員はともかくR陣までが彼女に釘付けだった。

「なんや、えらい別嬪さんが入ったなァ」
「くそくそ侑士、お前彼女いただろ!」
「あーん? つまり雪乃は俺のもんになるってことだな。そうだろ、樺地」
「ウス」
「もし跡部部長が神埼を手に入れたとしても、俺が奪いますけどね」
「け、喧嘩は良くないですよ!」
「黙ってろ長太郎、今のうちにケジメつけとかねぇと駄目だ」

ああ、嫌な感じがする。

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