部屋へ全力疾走、乱暴にドアを開けてベットに飛び込んだ。奥歯をぎりぎりと噛み締める。眦が涙で歪む。シーツを握る指は白い。心臓がはちきれそう。いっそのこと、息を止めようかと思った。思っただけで、実行はしなかった。本当にやってしまったら、もう二度とこの目にあの人を映せないと知っていた。口角がほんの少し上がるのを泣きそうになりながら見ていたあの頃、私の世界には彼しかいなかった。いや、今だってそうだ。ペンを持つ指先から、寝癖なのか元々なのか、くしゃくしゃな髪の一本、その先っぽまで眩しいくらいに輝いて見えた。人ごみの中で彼だけが甘い空気を含んでいた。目が合って、遠慮がちに右手を振ってくれたあの瞬間をいつまでも夢見ていたか、った。

『大切だから、もう会えない。ごめん』

 彼は優しい人だから、マフィアなんて出来ないよ
 だから、ツナをつれていかないでください……神様。



お願いお願いお願いよ




♪染まるよ/チャットモンチー

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