いつか買ってもらったワンピースを着て、お気に入りの靴に足を通す。
手伝いをして貰っていたおこづかいは結構な額になっていて、航空券を買ってもまだ余りがあった。

Lはキラ事件の捜査をしている。
命をかけて戦っている。

知ったのはつい最近で、自分の過去を聞いたその日に決意した。
日本へ行く。何もできないかもしれない、足手まといかもしれない。でも、Lの近くへいきたい。この体で守れるものは守りたい。彼に降りかかる害は、できるだけ取り除きたい。
我ながら幼い考え。どう考えても迷惑になる。
でも、Lに会いたい欲求と彼に言いたい言葉が私を動かした。


私は孤児だった。親は大きな事件を起こした犯罪者だったけれど、エラルド=コイルによって姿を暴かれ自殺。子供の私に罪はないと言って保護してくれたのがLだった。
普通なら孤児院に預けられるはずが、事件の記憶を思い出すか出さないかで私の未来が決まってしまうため一生Lの傍で生活することに決まった。
けれど、キラ事件が起きたことによりLと私は離れて生きることになった。
理由は当然、Lが何の気兼ねもなく仕事に専念するため。
言い方を変えれば、命を捨てやすくするため。

「いってきます」

私の過去を教えてくれた、あの不思議なものにお礼を言いに。守ってくれていた、……いや、守ってくれているLとワタリへ感謝を伝えに。
一緒にいる時には伝えられなかった言葉を、やさしく抱いて会いにいく。







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