雪村千鶴

可愛い、気が利く、ドジっ娘、頑張り屋。
八方美人、偽善者、天然。


少し深く考えて、それくらいの認識。
軽く考えるなら女の子より可愛い男の子。伊助あたりに喰われそうだな、なんてことを思っておしまい。

そのはずだった。


「つーわけだ。わかったか?」
「…今の私には理解出来ません。」
「よし、総司と鍛練」
「ごめんなさい分かりました。」

副長に呼び出され、任務でもあるのかなぁと思っていた数分前の自分に警告したい。
これからあの副長が冗談を言うぞ、と。

「ったく……雪村、入ってこい」
「、はい!」

障子のむこうから高めの声がした。高め……確かに女だったら普通だけど。いやまさか、本当に女の子?

「失礼します。」

これが女の子…確かに。
いやいや……でもこれは女の子だわ。

「こいつがお前の面倒を見る高橋悠だ。」
「よ、よろしくお願いしますっ」
「こちら…こそ?」

頭を下げる雪村さんにつられ、軽く頭を傾ける自分。

どうやら冗談ではないらしい。
大変なことになった。大変というか、かなり面倒くさい。

「女同士、上手くやれよ」

まとめるように言った上司に軽く殺意を覚えたのは、私だけではないはず。

「もちろんです!」

私だけだった。



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