例え
あのあとバレーの売り場では新しいサポーターとボールを買った。
東京で買ったボール…!特に意味はないけどなんか嬉しい。
及川先輩達は、バレーボール関係の事が書かれてるTシャツ(排球!!とか、繋ぐことが大事って達筆で書いてある感じの)を買っていた。なんか最近そういうのを青城で着るのが流行ってるらしい。てか及川先輩が流行らせたらしいんだけど。
「こっち種類たくさんあっていいな〜」
「お前結構そういうの好きだよな」
「え?なんか部活!って感じがしてよくないか?ちなみにさっき買ったやつの1枚はひーちゃんとおそろ〜」
1枚だけ。1枚だけ俺も買ってみた。
"ボールが地面に着くまでラリーは続いている"って書いてあるやつ。
「え!?なにそれずるい!どれ!?俺も買う!」
「ダメですゥ〜、ひーちゃんとお揃いなの。徹が買っちゃ意味ないだろ」
「くっ…むかつく!ひーちゃん俺ともなんかお揃いにしよ!」
『やです』
及川先輩とお揃いとか…なんかやだ。
こんな話をしながらも移動はしてるわけで、今はスカイツリーを見た後だ。結構日も傾いてきた。
「すごいね〜東京タワーよりも高いんだ〜来て見たかったんだよね〜」
「俺初めて昇ったッス!高かったッスね!」
スカイツリーはすごく高かった。
高すぎてちょっと怖い。
『そういえば涼太くん達は何買ったの?』
スポーツショップで、と質問をする。
「俺スか〜?リストバンドとバスケットボールッスよ〜」
「俺はバスケットボールと脚のサポーター」
「俺はバスケットボールだけだ」
そんなバスケットボールって消費早いの?
「うーん…表面がヒビ割れたり、滑りやすくなると替えるッスよね」
「そうだな。まぁ、外用中用と違うけど」
そうなのか…バスケも大変なんだな。
「なんだ、お嬢さんバスケ興味あるのか?」
『だからお嬢さん呼びは…!……もう言いです…けどっ』
「え!?なにひーちゃんバスケやるの!?バレーは?バレーは?」
「及川ウザい」
「ウザ川ウザるとかどう?」
「いいな、それ」
「よくないしっ!」
バスケか〜。あんまやったことないんだよね。
「やったことあるんスか?」
『ううん、やったことないよ。いや…授業でならある!』
ほんと授業だけなら。大層なことはしてないけどね。
「ハルはバスケ上手かったよな確か」
「てかハル運動ならなんでも出来んじゃん」
「なんでもってわけじゃないぞ」
「へえ〜、影山バスケ出来んのか」
「出来るつったって、そんなドリブルしてシュート入れられるぐらいだから」
そんな対したことじゃないと笑う。
初心者に毛が生えた程度だと。
「初心者に毛ってか…それが短くてボウズぐらいだったら、ハルはロン毛だよロン毛!謙遜しすぎ!」
「例えが意味わかんねえぞ、バカ」
「それならちょっとバスケしてみるか?近くにストバスあるし」
「いいッスねそれ!やろうよ飛空くん!及川センパイ達も!」
まさかの誘い。そんな春斗先輩が上手くても相手は全国クラスでしょ?
ちょっと無謀すぎるってか…
「いいぞ」
「「ハル!?」」
「だって全国クラスのバスケ部とバスケ出来るとかそんな経験中々出来ることじゃねえぞ。楽しそうだし、やろうぜ!」
は、春斗先輩は……
『ポジティブですね…』
「そりゃネガティブはやだろ」
(決まりッスね!)
(じゃあ俺のボール使うか、新品早く使いたいし)
(ミニゲームしないか?)