俺も同行する
あれから、ホテルに戻りメールボックスを確認したらメールが3件きていた。
1件目は涼太くんから。
センパイと話し合った結果、11時からとか案内するけどどうかというメール。
2件目は笠松先輩から。
名前は笠松幸男というらしくて、やっぱり海常バスケ部の部長さんらしかった。
3件目は森山先輩から。
名前は森山由孝というらしい。メールでもお嬢さんと呼び、今度可愛い子紹介してと言われたから、この先輩だけ森山と呼び捨てにしてやろうかと思った。
『でも、海常のバスケ部仲良いなー』
黄瀬くんはどうやら1年生らしくて、あとの笠松先輩と森山先輩は3年生。
それであの仲はすごいと思う。言い合いとかしてるの見てるとちょっと微笑ましいかも。
『楽しみだなー!』
「何が!?」
『ヒッ!』
び、びびったー!
急に出てこないでよ及川先輩め!
「ひーちゃんひどい…そんな俺を幽霊みたいに…」
「徹キモい止めろ」
「及川キモい。蓮浦困ってんだろ」
「俺に対してひどくない!!?」
絶対、歩いてる時に横からひゅっと顔を出した及川先輩が悪い!!
「でも、ひーちゃん何が楽しみなんだ?」
『春斗先輩も聞いてたんですか…』
「聞いてたってか…声が大きかったから聞こえたよな、春斗」
「おう」
マジか…そこまで俺はしゃいでちゃってたか…。
『恥ずかしいですなんか…
えっとその、ジャグを海常のバスケ部さんに分けた時にちょっと仲良くなって…。
土曜日の自由行動の日、スポーツショップ案内してもらえることになったんです』
言葉に出すと更に増す楽しみな気持ち。
あーほんとに楽しみだわ。
「おい、及川もハルも目ェかっ開いてんぞ」
「開いてない」
「……ねえ、ひーちゃん」
『ん?なんですか?』
「俺も着いてっていい?」
『?いいですよ!!先輩も一緒にスポーツショップ行きましょ!』
「なっ、ハル!」
「何ですか〜及川クン?岩ちゃんも行こうよ、暇でしょ?」
「うわっ!わざとらし!」
「暇だけど…いいのか…?」
『はい!大丈夫だと思います!!』
何かゲームとかするわけじゃないんだし……、あとで涼太くんに言っておこう。
「徹」
「なに……」
何かむすっとしてる及川先輩。
「行かないの?」
そして満面の笑みで問いかける春斗先輩。
「い…行かない!!俺その日も練習するし!」
「へぇ〜〜わかったよ、俺と岩ちゃんとひーちゃんで観光するね」
「観光…っ」
(素直に行きたいっていえよ)
(俺が先に一緒に行こって言うはずだったの!)