男です





「何言ってんスか……てかセンパイそもそもこの子ってか…この人



男ッスよ?」


ポカーンと俺を見てくるサラサラした人と部長さんっぽい人。
え?俺結構男っぽいと思うんだけど。初めて間違われたんだけど。


「嘘って言ってくれ…」


『む…、男ですよ!ほら!』



今だに信じる気がなさそうなサラサラした人の腕を引っ張り胸に置く。



「えっ!!!??ひーちゃん!!!?????」



………悲鳴が聞こえたのはスルーしとこう。


「ない……女の子特有のあれが…むしろ筋肉が……」


「なんだ男か……」


『むしろ間違える要素が無いと思うんですけど…そんな声も高くないし…体格だって俺バレーやってるから……』


「んー、確かに声高くないけど、低いだけって言われたら信じちゃうッスね。
体格は…そのジャージの所為ッスかね?」


『ジャージ…?』


俺が今着ているジャージは青城のジャージだ。烏野ジャージ持ってきたのだけれど、あの及川先輩が「青城のマネージャーなんだから青城のジャージを着て」と我儘を言ったからしょうがなく青城のジャージ、及川先輩のジャージを着ているんだ。


「そのジャージサイズ合ってないッスもんね」


『!!俺が及川先輩より身長小さいって言いたいの…?』


「おいかわ先輩?」



チラっと視線を及川先輩に向けるとミーティングは終わったみたいで、目があった。そして手を振ってきた。



『バカ!!!!及川先輩縮め!!!』


「ひーちゃん!!?」



くそ!俺だって背高いじゃん!!!178cmあるよ!!?及川先輩よりちょっと…6cmちっちゃいだけだし!!


「そ、それでなんか用があってこっちに来たんじゃないのか?」


『あ!!』


そうだよ!俺こんな事しに来たんじゃないのに!


『そうだそうだ忘れてた…、あのドリンク作りすぎちゃって余っちゃったんです。おすそ分けしに来たんですけど……あ!もう用意してあるならいいんです!こっちでなんとか処理するんで!!』


「ドリンク?」


「あー貰えるなら助かる。こいつの所為でマネージャーいねえからな。今こっちで作るやつもいねえし…」


こいつと言って金髪イケメンくんを指差した部長さんっぽい人。
てかたぶん部長さんかな?

「そうだぞ!お前の所為で女の子が俺に見向きもしない!」


「それは俺のせいじゃないッス…」


金髪イケメンくん学校で人気なのかな?だからマネージャー取れないとか…某及川先輩みたいに。


「もしかして君黄瀬を知らないのか?」


『黄瀬…?もしかして有名人とかですか…?
俺あんまテレビとか雑誌見ないんで…すいません』


「まぁ、男子はそんな感じだよな」


「俺一応モデルやってるんス!ドリンク貰ってもいいんスか?」


『モデルさんか!どうぞ!飲み終わったら取りに来ますから!』



そうかモデルさんだったのか、だからなんか見たことあったような感じしたんだな…納得。



(洗うのぐらい俺たちやるぞ?)
(いや、まだこれから合同練習あるらしいので大丈夫です!!)




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