時間差





審判によって得点板がめくられる。
得点板を見ると点数は

【22-13】


あと、


「3点…!!」


どんな相手にだって手を抜かない。
もう、「 」と分かっていても。
油断はしちゃダメなんだ。


『春斗先輩…!!岩泉先輩…!及川先輩!!』



***


「はぁ…はぁ…」



点差は9点。
次に取られたら2ケタになってしまう。


「森久…」



「……大丈夫」



「……え?」



コートに立っている仲間を見渡す。

汗を垂らしている
肩を揺らしている
息を切らしている


でも

「諦めてないじゃん!!
まだみんな瞳(め)が生きてる!!こんな強豪と戦えることなんて滅多にないんだ!!

頑張ろう!!!」


やれる。
粘るんだ。少しでもコートに長く立つために。
公式じゃない練習試合でも…



こいつらと長く立っていたい。


「気合入れてくゾッ!!!!」



「「「オォオッ!!!!!」」」



ピィイー!


ドッ!


「ソノッ!!」



「任せとけ!!!」



今度のサーブはソノの目の前に落ちてくる。

ソノがレシーブしたボールはキレイに俺の元へやってくる。


誰を使うか…



「センター!!!!!!」



「ライトッ!!!!!」



相手はセンター近く…でも普通のスパイクじゃブロックされる…

センターに走ってくる土屋と目が合う。


「仲間を信じろ…」



俺はオープンを上げる。


土屋はジャンプする前にフェイントを入れた。
それに1人以外見事にひっかかる相手。



「1人時間差…!!?」



バシッ!!


ボールが人のいないところへ落ちそうになるが、相手のリベロがボールをギリギリで拾う。


ボールは山並みでこっち帰ってくる。


走ってくるのは土屋と菊坂。



「ライトォオオオ!!!!」



「土屋…!!!!」



トスはCクイック。
土屋はコートのライン上にボールが来たところで


バシッ


スパイクをした。


ダンッ!


落ちたのはライン辺り。


「「「………っ」」」


審判が旗を下げる。



「ィヨッシャァァアアア!!!!」



「土屋ナイス!!!」



「ライン上じゃん!ナイス!!」



あの青葉城西に1点!!
自分達の手で取ったんだ…!!


「もう一回やるぞ!!」



(やっぱ過去に全国行ってただけはある…)



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