男だらけの? 2






「取り敢えず、着いた…かな?」



俺は、今、春斗先輩に集合場所と言われた場所に来ている。

なんだけど

集合時間の5分前なのに誰もいないのは、何故?

あの及川先輩でも、中学の頃、さすがに5分前には来ていた。

勿論、女の子が周囲にいないときはだけだけど。



「…先輩たち遅いなぁ」



ここ結構な街中だし、及川先輩、女の子に捕まってるのかな。

…あ、春斗先輩もか。

でも、今日は保護者(岩泉先輩)がいるからそうでもないと思うんだよな。



――ピリリリリッ



「ん?…もしもし」

「おっ、ひーちゃん?」

「先輩たち、まだですか。俺、すっごく寒いんですけど…」



それに、さっきから周りからちらちらと見られてる感じがして、何というか…そう、居心地が悪い。



「悪い。ちょっと迎えに行っててな。もうすぐ着くよ」



じゃ、後で。という言葉で電話は切れた。

…迎え?

あれ、もしかしなくても、俺、メンバー勘違いしてる?

あの後、クリスマスパーティーという単語に浮かれて、聞くのがおざなりになっていたような気も、しなくはないし…。

ま、先輩たちが来たら分かるか。







***







まだかなぁと思ったとき、何かが走る音がした。

冬なのに元気だな、おい。なんて思った瞬間、身体に衝撃が走る。



「うぐっ…?!」

「飛空っち、久しぶりっス!」

「りょ、涼太くん?!!え…何でいるの?!!」



突進してきたのは涼太くんだった。

にしても、何でいるの。

涼太くん、住んでいるの神奈川ですよね…?

…あ、もしかして、春斗先輩が言ってた迎えって、これの事かな?



「りょーたクン、ひーちゃんから離れなさい!ひーちゃんは俺のゴフッ」

「徹、誰が俺のだって?」

「今何て言ったクズ川」

「二人とも、後でシバけばいいだろ。今は衆人の眼があるしよ」



先輩たちもきたー。

て、



「笠松先輩?!!」

「よお」



うわああああ!!!

涼太くんだけじゃなく笠松先輩まで!

笠松先輩、相変わらずカッコいいなー!



「おら、いい加減蓮浦から離れろ黄瀬」

「いやっス!」



剥がそうとする笠松先輩に、剥がされないようさらにキツく抱き付いてくる涼太くん。

てかさ、身長180,190くらいある男二人が密着してるのはいかがなものじゃないですかね。

何か、さっきより見られてる気がする。



「…涼太くん、さすがにそろそろ離れて?」

「えー何でっスか。飛空っちに会ったの久しぶりなのに」

「じゃあ涼太くんは、街中でデカい男二人がくっついてて、なんとも思われないと思うの?」

「逆に何か思われるんスか?」



きょとんとしながら言われても、こっちが困るんですけど。

変に目を引くとかあるじゃん。

涼太くんには、そういう事…あ、モデルだから慣れてるとかってこと?

取り敢えず、誰か、涼太くんを俺から離してください。

周囲からちらちらと見られてて、本当に居心地悪いんで。




(ひーちゃんもそう言っているし、さすがにそろそろ離れようか金髪くん)
(だから俺は金髪くんじゃなくて黄瀬涼太っス)
(春斗先輩!!)
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