男だらけの? 1
「ひーちゃーんっ」
「わっ!!!」
「だーれでしょーか!」
そう茶目っ気も露に現れたのは…
「…春斗先輩、脅かさないでくださいよ…」
「ははっ。悪い悪い」
全然悪いと思ってないよこの人……まぁいいけど。
「それで、何の用ですか?わざわざ烏野まで来るなんて」
そう、ここは烏野高校。しかも平日の夕方だ。
…先輩、部活どうしたんだろ。
「今週の日曜日、暇?」
「今週、ですか…えっと…」
…って、来週っていったらクリスマスじゃないか、クリスマス!!
まぁ、空いてるけど…。
「空いてますよ」
「ホントか!その日さ、徹達と集ま…」
「ちょっと待ってください!」
「?」
「あの、その日は、世間一般ではクリスマスという日ですよね?!」
「そうだけど?」
「か、彼女さんとか…」
彼女という単語を、どもりながら言う。
だが、春斗先輩は一瞬きょとんとした後、笑いだした。
え、ちょ…何で笑うんですか、先輩…。
「あはははは!!ひーっ!!お、お腹が!!!」
「いくらなんでも笑い過ぎですよ!てか何がそんなにおかしいんですか?!特に及川先輩とか彼女さんいるでしょう?!!」
及川先輩、という言葉を聞いて、春斗先輩はいっそう笑いだした。
いや、ほんと、何で。
それから、春斗先輩の笑いが収まるまで、俺は少しの間待った。
名前も知らない同級生や下級生、上級生に、白い目で見られながら…。
***
「悪い、ひーちゃん。ちょっと笑い過ぎた。機嫌直して?」
「別に機嫌悪くなってはないですよー」
「ほんとゴメン!徹って単語で笑いが収まらなくなっちゃってさ」
「及川先輩、どうかしたんですか?」
「いや、な、アイツ、またフられたのよ彼女ちゃんに」
「………あぁ、成る程。また、ですか」
「そういう事。じゃ、本題に入ろうか」
「はい」
…ん?
そういやあ、聞くタイミングがなかったから聞かなかったけど、春斗先輩と岩泉先輩は彼女さんいないのかな?
二人とも男前だからモテると思うんだけど。
(ふえっくしゅっ!!)
(どうした及川)
(誰かが俺の噂…て、アダッ!痛い、痛いよ岩ちゃん!!)
(……)
(すみませんでしただからその視線を向けるのだけは勘弁してくださいお願いします)