ブザービーター
――春斗
試合の終了を告げる笛がなった時、俺の足は地面についていなかった。両手はリングについていたが…。
「ブザービーター…」
誰かがそう言ったのが聞こえた。
それを認識した瞬間、手からふっと力が抜けた。
床に落ちる…!!
そう思った瞬間、誰かに支えられたのが分かった。
「…大丈夫か……影山」
笠松くんだった。
「あ、あぁ…ありがとう笠松くん」
「ん…」
それから言葉を交わしながら、皆が整列している所へ向かった。
「103-102で海常高校の勝ち!ありがとうございました!」
「「「「「「「「「「ありがとうございました!!!!」」」」」」」」」」
「悪い、負けちゃったな」
「全然!!ハルのおかげで、俺達もむっちゃ楽しめたし。…ほんとにありがとうな、…影山生徒会長!!」
「会長言うな!!」
負けは負けだが、内容が凄く濃くて、いい試合だったと思う。
「春斗先輩!!」
「んっ!!ひーちゃん!!」
「最後のダンク見ました!!むっちゃくちゃ格好よかったです!!」
「お気に召していただけて光栄だ、ひーちゃん」
「俺も春斗先輩みたいになれるよう頑張ります、影山と一緒に!!」
「楽しみにしてるな!」
「はい!!」
「…そうだ。ひーちゃんこの後暇か?」
「暇ですけど?」
「徹と岩ちゃんは?」
「暇人だよ〜」
「予定は入ってないぞ」
俺は、ならさ、と続けた。
「海常の笠松くんと金髪くんとお茶しない?」
「「「は?/へ?」」」
「いや、海常さん、今日はこっち泊まるらしくってさ。ならお茶でもしないかって話に、さっき笠松くんとなったんだ。そしたら金髪くんも行きたいって言い始めて。なら、こっちの面子も誘おうかな、みたいな」
「面白そうだから俺行くー」
「予定ねぇし、俺も」
「分かった。ひーちゃんはどうする?」
「…んー。…遅くなりますよね?」
「そうなったらうちに泊まればいいだろ。明日は休日だから、問題なし」
「泊まっていいんですか!?」
「来い来い」
「行きます!!」
「ひーちゃんもな。よし、じゃあ今から一時間後に、校門前な」
「了解☆」
「わかった」
「はい!!」
さて、笠松くんに伝えにいきますか、三人追加って。