挑戦的宣言

ポッカリあいた穴


あの日から胸の内に虚無感が生まれた。

何をしてもそれは消えなくて。ずっとぽっかりあいてて。


あーーー俺、未練タラタラだなーなんて思った。


思うように走れない。


壊れるだけでこんなにも違うなんて思わなかった。




今日もつまらない1日が始まる。











昼休み明けの授業は体育。弁当食べた後にはキツイなーーーなんて思ったけど俺体育万年見学野郎になったんだわ


なんだっけ最初はグラウンド集合だっけ
手伝いとかやらされんだろうなーー


「だりいな」


体育はクラスごとではなく、3クラスごとでやっている。合同ってわけだ。


曲がり角を曲がればグラウンドに出る。


「うおおおおおお体操着忘れたぁぁぁあああああ」


なんか声聞こえんな…前から……


「体操着忘れたぁあああんぐァ!」

「いッ!」


曲がり角を曲がった瞬間衝突する身体。いやこんな実況してる暇じゃないんだけど。


「うわ!大丈夫ッスか!すんません!」



大胆に尻餅ついたカッコ悪い恥ずかしい


「大丈夫…ごめん不注意だった」

「いやいやわたくしめが前を見ておらず…」


なんだこの変な喋り方…

「本当に申し訳ありません…ではわたしは急いでおりますので…」

「…お前体操着ないのか?」

「お、おう…寮に忘れてきた」

寮なら取りに戻ればいいのに。寮母さんとか管理人さんに言えば鍵は開けてもらえるだろ。

「寮なら取りに戻れば?」

「うおおおおお洗濯出したばっかなんだよおおおお」


乾いてないってことね…寮生活も大変だな

「俺の着るか?」

「え!?いいのか?でもお前グラウンド向かってたじゃん!体育だろ?」

「俺今日体育出ないから」


今日だけじゃないけど


「お?それならいいのか?」

「いいよ、ロッカーの鍵空いてるからそこから取ってよ」


ロッカーのナンバーを言う

「恩にきる!!この借りは必ず…!」


号泣しながら敬礼される。大袈裟だな

「早くしないと遅刻すんぞ」

「ありがとな!また後で!!」


ダッシュで1年のロッカールームへ向かうあいつ。








「あーーー」


尻餅ついて転んだけどどうやって立とう。上手く立てねえや。



(キラキラ輝いていて)
(眩しかったなんて言わない)




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