逃避
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「お、おい…ほんとに大丈夫かよ…」
『……』
キヨがバスケットボールを持って、こっちに近づいてくる。
来るな。
来るな来るな来るな。
"それ"を持って…
『こっちに来るな……!!!!!』
ダム、ダム、ダムダム…
「…………っ」
『あ………』
キヨが落としたバスケットボールが俺の足元にまで転がってくる。
『ごめんっ…!!!!』
「……………」
俺はボールを拾わないで、キヨをその場に残し全力で走って家に帰った。
***
「……………」
あいつの走る後姿を俺はボーっと見続ける。
「……遊」
正直どうしたらいいか分からない。
遊とケンカしたのは初めてだった。
あいつのあの緩い性格のおかげで、今までケンカに至ることは一度も無かった。
俺はなにかあいつの地雷を踏んだのか…?
あいつはちっさいころから、言われたことはめんどくさがりながらも
ちゃんとするやつだった。
何か頼んで断られたことは今まで無かったは…ず…
「待てよ…」
俺がミニバスでレギュラーを勝ち取り、初めて試合に出るとき
遊を呼んだ。
返事はうやむやにされて…でもあいつだから来るだろうと思ったが来なかった。
次の日、理由を聞いたがあいつは何も教えてくんなかった。
その後も呼びつづけたがあいつが来ることは一度も無かった。
今回。
遊はバスケをやったことがないと言った。
体育の授業で普通にあるのにな……。
(バスケが)
(あいつに関係してる)
▼謎のシリアスに突入。
キヨは中2で身長は174ぐらいで
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