緑
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そんなこんなで今日はピアノのコンクール。
そんなこんなって、どんなこんなだよみたいな質問は受け付けない。
月日が過ぎるのは早いんですよ。
「遊くん蝶ネクタイじゃなくて良かったの?」
『普通のネクタイでいいって』
「七三じゃなくてよかったの?」
『普通の髪型でいいって!!』
もうなんなのこの母さん。
過保護とはいえないし、もう!
「控え室までお母さん着いて行かなくて大丈夫?」
『大丈夫だから。母さんは席に座っててよ』
「もーう!大人ぶっちゃって!
お父さんは用事で来れないっていうから、
お母さんだけで、カメラ構えて待ってるからね!いってらっしゃい!」
『わかった』
母さんに手を振る。
なんだよもう。
てか口癖になりそうだわ。
『はぁ…』
***
控え室には俺と同じくらいの子供が数人。
『白嗣…あった…』
指定の場所に座って楽譜でも見ようかと思ったら、
背の高い男が隣に座った。
背の高いっていっても、下級生の中で背が高い的な。
少しイスを引いて、隣のイスに貼ってある紙を見る。
"緑間 真太郎"
『…………』
なんか嫌な予感がした。
大人しく楽譜見とこう…
(それにしても)
(綺麗な緑の色してんな…)
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