呂律がまわりません
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《――高校先取点です!!》

《ワァアアアアアアアア!!!!》



「!」



このDVDでやっと4枚目。
正直飽きた。
でも、隣では瞳をキラキラと輝かせてテレビ画面に夢中になってる
宮地くん。



《おっと!5番がパスを回して7番がシュート!》

「おぉ…!」



…今のは自分で点取れただろ。
5番は3Pラインより後ろにいたんだから、
そこでロングシュートだして、3点取ったほうが…。


ってなに、バスケのこと考えてんだろ。
さっさと離れたいのに。



ピンポーン


『あ』

「………」

「キヨくーん!お母さん迎えにきたわよー!」

『きたって。けしゅよ』



リモコンを持ち、停止を押そうとするが…



「だめ!とめたらひくぞ!」



リュックサックの中からトラックのミニカーを出して、床でシャーシャーとする。

何この子供。
不覚にも可愛いと思ってしまった。


『…でも、おかあさんきてりゅよ』


さっきからスルーしてたが、まだ呂律が回ってくれない!くそ!


「………っ」

「キヨくーん?遊くーん?何してるのー…って」


廊下から母さんがやってくる。
そして涙目の宮地くんを見て、目を見開く。



「遊くんが泣かしたの!?」


どうしてそうなった!!



「ち、ちがう…DVDまだ…みてたい…」


おおぅ…俺が泣かしたことになるところだったぜ…。



「DVD…?あー!そんなこと!!」

「そっそんなこと!?」



おい宮地くんが驚いてるぞ。



「キヨくんならいつでもオーケーよ!
明日でもいいからまたうちに来なさい!
でも、今日はキヨくんのお母さん来てるからね?」

「あしたもいいの…?」

『なぬ…!?』



(あ、今母さんに変な目で見られた)




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