成長中  [ 20/31 ]


「行くぞ」



影山は腰を低くし、ボールを高く、前に上げる。



「!?」



キュッ



「ジャンプサーブ!?」

「は!?」




高くジャンプし、


ドッッ!!!!



俺達は日向側のコートにいるから分かる。
ボールがかなりのスピードでこっちのコートに向かってくる。



「影山ジャンプサーブ出来るようになったんだな…」

「出来なかったのか…!?」

「俺が知ってるときまでは普通のフローターサーブ」



サーブに特化した人とかいたけど…。



また顔面キャッチか…?
と、思ったけど顔を避けて無理やり腕に当てる。



いや、当たらなくて床に落ちた。



「………?」

「俺もとれるかわかんねー」



龍が自信なさげに言う。


「――それの、どこが去年と違うんだ。

言っとくが、このぐらいのサーブ普通に打てるやつはたくさんいる。
それを飛空さんは普通に取ってきた」

「「「え」」」

『え』

「お前中学頃ポジションどこだったんだよ…」

「え?田中知らないの?」

「バレーボールの雑誌にもなんかオールラウンダーとかしか…」

「俺は…まぁ普通のところ」

「どこだよそこ、」



(成長中)

  



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