可愛い後輩  [ 9/31 ]



《こんな名前を付けた奴をぶん殴りたいけど、絶対飛べるようにするよ、俺は。》



とか…
思ったけど…



「まず俺が頑張らないとな…」




まだ…、まだ俺はあの事を引きずってるから…。
それから勝たないといけない。


「おい、飛空!」

「あ、龍」



なんか呼ばれたなーと思い振り返ったら、あの馬鹿な龍が。
もう一回言う。あの馬鹿な龍がいた。



「"あ、龍"…じゃねぇよ!!
どこ行ってたんだよ!!」

「そんな怒んなよ、田中。
ほら、蓮浦は北川第一出身だから控え室にでも行ってたんだろ」

「スガさぁーん…」

「でも、断りは入れような」



「すいませーん。
ほら、大地先輩とスガ先輩は分かってくれてんだろ!!

龍だけだぞ、そんな怒んの」

「てめっ!!人が心配してやってんのに…!!」

「頼んでませーん」





影山は来年高校生だからな。
敵通しでコートの中対面して会うんだろうな。

前はみんな同じコートだったのに。



「なにへこんでんだよ…なんかあったのか?」



烏野の主将、澤村大地先輩が問い掛ける。



「ん、なんでもないですよ…。
ただ………俺の可愛い可愛い可愛い可愛い後輩が敵になっちゃうのかなって」



「「「可愛い言い過ぎだぞ」」」



「いや可愛いですよ。







単細胞のところが」



「「「っぷ!!」」」



あの試合ではしっかりした司令塔だけど、
試合以外だと、自分の思いのままに動く姿が……



「面白いし、可愛いんだよ」



「「「………」」」






(お前そのいきなり笑うのやめろよ…)
(天然タラシだな)
(大地、蓮浦って女子みたいだよね)


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修正:15/07/03


  



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