君だけ  [ 4/31 ]



キィィイイイイイイイ!!!!!




「影山っ!」

「えっ……?」






影山と呼ばれた少年は、
ある少年に背中を押され、道路から飛び出した。



ドンッ



直後に、背後で何かがぶつかった音がする。



「……か…かげ…や…ま」

「!?飛空さん!!」

「おま…ぇ…、ケガ…ねぇ…?」



影山はこの言葉に目を見開く。

影山は押されて、道路に膝をついただけなのでその擦り傷だけだ。


だが、飛空は至る所から血を流し重傷。


自分のことより、影山のことを心配した。



「何、言ってんスか…!!
誰か、救急車!!おい!!」



影山の声に、人だかりの前列の数人が電話をする。



「飛空さん…!!
なんで俺なんか……!!」

「お、れは…もう、三年だけ…ど、お前は…次がある……じゃん…?」

「そんなの!!飛空さんがいないと…!!」

「お前が……慕ってくれ、て…嬉しかった、けど…
もう少し、まわ、りを…見たらお前は…もっと、伸び、るから…」

「そんな………ことっ」

「俺はお前に、賭けたから…」




そこで、
飛空の意識は途切れた。



「飛空さん……飛空さん!!」





(飛空さんじゃなきゃ)
(飛空さんじゃないと)
(飛空さんしか)

(俺はダメなのに)


_________________________
影山中1、男主中2の冬ぐらいです
修正:15/07/03


  



[]