04
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一校一校と紹介されていくが、ごめんねたぶんってか絶対覚えられないわ、うん。


「梓乃ちゃんっていうの?いきなり天井から降ってきて、舞い降りた天使かと思ったよ。あ、俺は海常高校3年の森山由孝。梓乃ちゃんは1年生でしょ?ぜひ俺の事は由孝先輩と呼んでくれ。もちろん由孝って呼び捨てでも構わない」

「……」


え、なにこの人…怖い…ノンブレスで言い切ったんだけど何者だよ…あと最後のドヤ顔いらない…

まこまこ先輩……って言ったら殴られるんだ、真に視線を向けると何か言ってやれっていう視線で返された。
周りはこの森山さんを痛い人として見る目。


機嫌を損ねないような言葉で返すんだ……


「わ…私に天使なんて言葉は勿体無いですよ。森山さんも……かっこいいですね、この集まりじゃ…バスケ部ですか?」

「かっ……!」

「か?」


後ろからは真のため息が聞こえる。


「かっこいいだって!!!!ねえ!笠松!黄瀬!聞いた!?かっこいいだって!!小堀も早川も聞いた!!?ねえ!俺かっこいい!?」

「キモい煩い黙れ」

「世辞ッスよ先輩」

「おい笠松も黄瀬も言い過ぎだって、夢見させてやれよ」

「ウォオオオ!!先輩かっけェッス!!!!」


なんか一番まともっぽい人が何気にひどいこと言ってんな…。


「はぁ……お前なんでバスケ部ってわかったんだよ」


真が聞いた。なんでって…そりゃあ、少し関わりのある誠凜に、幼馴染だから勿論バスケをやってるのを知ってる真。見た感じみんな知り合いっぽいし……まぁ、真と誠凜はなんかすごい険悪モードだけど…


「へぇ…」


美青年にへぇって言われた。少し目を見開かれて。怖い。


「話進めんぞ」













***


「んで、気づいたらこの変な空間にいて…ここに避難したらドアが開かなくなった。この部屋はパソコンが集まっていてパソコン教室っていうことは分かったけど出れないし、電気も点かない。これは詰んだというときにお助けが呼べてそれに私を呼んだと……オーケー?」

「まぁ大体あってるな」

「ちなみに助っ人を君に決めたのは花宮さんの後押しだからね」

「そうですね、僕も…誠凜の皆さんも君のことは知ってましたけど呼ぼうなんて考えてもみなかったです」


黒子くんのその発言に真はキレて黒子くんに突っかかる。


「落ち着いてって、とりあえずもっと詳しく話を聞かせてほしい。あと紙とペン……この部屋暗いな…電気は点かないの?」

「何するんだよ…おらよ紙とペン」


お礼を言いながら渡された物を近くのデスクに置く。

「この部屋の電気は点きません。壊れてるみたいです」

「ふーん……ほんとかなぁ」


なんか訳のわからない所に飛ばされたけど、買い物した袋持ってて良かった……しかもファブリー図は詰め替え用じゃなくてボトルで買ったんだよラッキー。

靴を脱いで机に乗る。そして天井にファブリー図を撒き散らす。あと、電気を点けるスイッチの所に。

その瞬間パッと明るくなる部屋。


「なんで……ッ!」

「おい電気点いたぞ……」

「さっきまで点かなかったんじゃないの?」


ほんとお日様の香りは素晴らしい。私は真にファブリー図のボトルを渡して、服にかけてもらう。


「うしっ!肩が軽くなったぞ」

そのまま買い物袋の中からプリンを取ろうとすると

「待て待て待て」

真に止められた。


「なんでしょうか」

「"なんでしょうか"じゃねェよ!今のなんだよ!何したんだよ!」

「何したって……ファブリーズ撒き散らした」

「それは分かってるっつの!」

パシンッと側に置いてあったマウスパッドで叩かれる。

「なんでいきなり電気点いたか聞いてんだよ」

「えーーーーー?」

「プリン食うぞ」

「分かった言うからプリン返して」


真はほんとに行動するからやばい。私のプリンが食べられる。

「なんで点いたか…?うーーん、祓ったって言えばいいの?除霊?」


シーンと静まり返るこの場。え、何か変なこと言ったかな。

「お前そんなこと出来んの…?」

「いや出来ないけど」


私自身は除霊なんか出来ない。出来たら便利だろうけど。


「なんか化け物がいるんでしょ?それに変な空間って言っても、このパソコン教室といい、さっき扉から見た廊下、なんか目があったけど……人体模型?それがいる、あるってことはここは学校なんだよね?
学校っていっちゃーまぁ曰く付きの?まぁ幽霊とか?いると思って、なんか肩重かったし。それでファブリー図をシュシューっとしました」

私の言葉に今度はザワザワして

「なに、ファブリー図にそんな効果あんのかよ」

「俺ファブリー図買ってくる」

「ファブリー図最強伝説じゃん」

などが聞こえてくる。そうそう、ファブリー図はすごいよ?特にお日様の香りがオススメ。


「あ、なんか頭痛いとか肩が重いーとかだるいーなんて人はかけたら楽になると思うよ」

私は近くの人にファブリー図を回していく。

「なんでそんなこと知ってるんスか…てかアンタ女なんでしょ?怖くないんスか?」


聞いてくるのは金髪の髪色をした男の子。確か……黄瀬くん。

「そりゃいきなりこんな空間連れて来られたら怖いけど……私ゲーム好きだからな〜。RPGとかアクションとかホラーとか基本なんでもやるから、むしろワクワクするかも!
なんで知ってるかはホラーゲームやる時になんか怖くて調べたらファブリー図が効くとね!いうからね!」


それを信じて買ってたんです。


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