03
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モニターに文字が映った途端、部屋の上座のパソコンの位置からガシャンッと大きな音がした。






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えっと私何してたんだっけ?


確か報酬で新しいゲームが手に入ったから自主休校して引きこもろうと思ったんだ。
で、そのために必要な物資を買いに行ったんだ。私の大好きないろ蓮さんと、お菓子達を。あとプリン。あとファブリー図(お日様の香り)。


それで、えーっと、お会計済まして、お店を出て、家に帰ろうとして……



「…あっれ、今頭打ったので記憶飛んだ?なんで私こんなとこいるの?外だったんだけど」


パソコンが置いてあるデスクの前で額を抑えながら座り込む私、そしてそんな私を囲む誰か。


「まぁ、いいや。家に帰ろう。苗木くんが私を待ってる」

「いや、おい待てよバカ」


立ち上がった瞬間に頭を叩かれる私。何したっていうんだ。


「痛い……ってまこまこ先輩じゃないスか、ちーっす」

「その呼び方辞めろクソ女」

「えーーーー?だってまこまこ先輩が"先輩"ってつけろって言ったんじゃないですか〜〜〜」

「ウザい、やめろ」

「え〜〜〜〜〜?」

「ほんとにやめないと買ったプリン俺が食うぞ」

「ごめん、やめる。てかなんで私がプリン買ったってわかったんだ」

「いいからちょっとこい」


襟首を掴まれながらなんか変な部屋の空いている席に座らされる私。そしてそんな私をガン見する誰か。なんだこれ。



「紹介する、俺の幼馴染のクソ女だ」

「ふざけ」


頭を横にあったまこまこ先輩こと花宮真の腹に当てる。強く。


「イってぇな!」

「えっと、クソ野郎の幼馴染の眞山梓乃です。ここどこですか?帰っていいですか?」




…シーン。


ほんとシーンって感じ。誰か口に出しただろって感じのシーンって空気が流れた。


「えっと眞山さんこんにちは」

「……?黒子くん?」

「俺もいるぞ」

「火神もいるじゃん、どしたの…それに……」


くるっと周囲を見渡す。


おお、誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ誰だ日向先輩だ木吉先輩だ伊月先輩だ誰だ誰だ誰だ誰だ



なにこれなんの集まり。私場違いじゃん。


「君が眞山梓乃さんかい?」

「そうですけど………」



赤髪ですごい威圧オーラを出した美青年に話しかけられた。うわ、なんつうボスキャラ。怖い。


「急に呼び出してすまないね」

「いやいや、私も派手な登場ごめんなさい」


ここがどこでどうやってここに現れたかわからないけど盛大に頭ぶつけて座り込んだし。


「ちょっと長話がしたいんだが聞いてもらえるかい?」


「帰りたいので1分ぐらいでお願いします」


まこまこ先輩に髪の毛を引っ張られる。


「……僕達は今とても困っていてね……ここにかれこれ数時間閉じ込められてしまったんだ」

「……はぁ?」

「…この部屋から出れば変な化け物もいるし、外は真っ暗、廊下には所々に血痕が。どうしようもなくてね」


なにいってんだこいつ……って私今心の中で思ったし、絶対顔にも出てる。


「ちょっと僕たちに手を貸してくれないかな」


その美青年は言った。普通だったら疑問形が付くだろうけど、絶対付かなかった頼みの仕方で。


閉じ込められた?意味わからない。私帰ってゲームしたいんですけど。苗木くんで論破したいんですけど。もうすごい楽しみにしてたのにこれ?え?ちょっと


「意味がわからないですね…帰ります」


私の行動は早かっただろう。席を立ってすぐ目についた扉の方に向かった。数十人の視線を受けながら。


「おい、そっちにいっても扉開かねえぞ」


まこまこ先輩がなんかいう。

そんな内側からなのに開かない訳…


ガチャッガチャ


ありましたね、開かないわぜんぜん。


え?これから私にどうしろと?苗木くんは?論破は?マジなにこれ絶望じゃん、希望ないじゃん、私が絶望だわ、え?


その後も数回とガチャガチャ扉を動かす。


なんでだ鍵閉まってる訳じゃないし……


私は顔をあげて扉についているガラスをみた。


そして目があった。



学校とかに置いてありそうな人体模型と。


「…………」

「「「「「………………」」」」」


私はまこまこ先輩達がいる方に向かって冷や汗を垂らしながら微笑んだ。



「あ、すいません。話詳しく聞かせてください」


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