泉さんとクラス表 昔馴染みの登場に驚かされた入学式も終わり、うちは貼りだされていたクラス表を確認していた。 インパクト大な新入生代表挨拶を行っていた昔馴染み、 …基、跡部景吾はイギリスで暮らしていた小学生の頃のクラスメイトだ。 隣りにはいつも樺地が居て、その整った顔と堂々とした態度で周囲を魅了していたっけ。 今日も思えば中等部な筈の樺地の姿を目撃したし、相変わらずの綺麗な顔も、大人っぽさを増してもっとかっこよくなってた。 挨拶の内容も…うん、相変わらずだったね。 (キングだとかキングだとか言ってたしね) それにしても氷帝学園ってすごい。 学校だとは思えない校舎からも伺えることだけれど、クラスの数がすっごく多い。 これじゃあ、クラスにたどり着くのは何時になることやら。 「あ、わたしD組だって。」 「…あら、少し遠いわね?」 膨大な数の名前たちの中から「泉」の文字を探してF組の列から漸くD組へと差し掛かる頃。聞き覚えのある声にはっと周囲を見渡す。 そうして清楚な雰囲気をかもし出す生徒達の中に、見知った顔を見つけた。 「春菜、愛実っ!」 『友加梨!?』 佐倉春菜、折琴愛実。 変わらない(とは言っても最後に見てからあまり経っていないのだが)2人の姿に思わず笑顔になる。 ふたりとは、中学3年生のときのクラスメイトだった。 「はは、ふたりともすっごい顔。」 「うざ、」 「こら、愛実。」 苦笑を浮かべながら愛実を宥める春菜は、やっぱり天使だった。 |