▲私から

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意外とはじめてのストーリーとバスケは楽しく
あっという間に時間が過ぎていった。

しかし、いつも運動していないことがたたり
スタミナ切れでベンチに倒れる。

すると高尾君が

「柚木意外とバスケ出来んじゃん。」
と高尾君が缶ジュースと手渡してくれる。



『おおー。さすが高尾様!これ好きなんだよね。』

と私の好みにクリーンヒットしているジュースを
受け取ると迷わず開けようとプルタブに指をかけるも
力が入らない。


「ぶっ、弱りすぎっしょ。貸してみ?」

なんて笑いつつもジュースの口を開けてくれるのは
彼の優しさだ。



『失礼な、文系なんですー。体力はないんですー。』

と口を尖らせいると

「はいはい、ほらよ。」と再度ジュースを受け取り
『ありがとう。』と言えば笑って「いーえっ。」と
私の横に高尾君は座る。






『なーんか、二人の高校時代を垣間見たよ。
 やっぱ、仲良しさんだね。』

と、スリーonスリーをしている皆を見る。
緑間君、征十郎君、黄瀬君、対青峰君、黒子君、紫の大きい人

なんでも身長で分けたんだとか。



「圧巻だよね、マジで。俺中学んとき良く
 あいつらと戦ったなー。て今更ながらに思うぜ。」


と高尾君が笑う。



その反対の側のベンチでは鈴屋さんと
さつきちゃんが二人で話している。

『はー。女子トークしてんのかなー。』

と呟けば「なになに?交ざりに行きたいの?」
と言われ『…いや?』と答えてうあたり私の悪いところだ。



『もっと女の子してたらなー。』

なんて笑いながらジュースに口をつけると
「そっかな?柚木は女らしいとおもうぜー。」
っといわれげほげほと咽てしまう。


『…っ!?びっくりすること言わないでよ!?』



「ひっで、慰めてやってんのに…って涙目!」

と私の顔を見て高尾君が驚くが

『咽て苦しかっただけ。大丈夫。』
と言いくるめその場を逃れる。


別に感傷に浸ってたわけじゃない。













その後は皆でファミレスにでも行くか?と
いった話しになり最期までお供することとなる。


もちろん席は緑間君の横に鈴屋さんなのだけれど。

席としては



青峰君、紫の大きい人、緑間君、鈴屋さん、黄瀬君に
さつきちゃん、黒子君、征十郎君、私、高尾君

と何だか不思議な組み合わせ。



しかも、鈴屋さんの向いって私…心折れそう。



そんなこんなで始まったただの雑談会。
横の高尾君が「マジカオス。」と笑いをこらえていたが
私には一体全体どうなっているか分からない。



しかし、少し変だと思うことがある。



本当に少しのことなのだが、鈴屋さんが
黄瀬君に好意があるように見なくも…ないのだ。

いや、ただの思い過ごしかもしれないが





スキンシップが多いような気もしなくはない。



緑間君は高尾君と馬鹿やって気づいていないようだし
黄瀬君は対応に慣れているのか全て軽く
受け流している。


ど、どうしようと思いあわてていると
黄瀬君とバッチリ目が合う。

鈴屋さんは気がついていないようだ。


すると、

「あ、俺ちょっと俺忘れ物しちゃったみたいっス。」
と席をおもむろに立ち上がる黄瀬君。


「おいマジかよ黄瀬。」と青峰君が話しており
各々、少し呆れ気味である。

彼はそんなにおっちょこちょいな性格なのだろうか?


「ちょっと、取って来るんで皆で話してて
 くださいっス。」

とにこやかに笑うと、さつきちゃんが
「きーちゃん一人で大丈夫?」と優しくも心配していて
そんな言葉に黄瀬君は、待ってましたと言わんばかりに
にっこりとした笑みを浮かべ

「そっスね…やっぱり一人は寂しいッスから
 大野さん一緒に来てくれないっス?

 つか、決定。

 ほら、行くっスよ。」


と突然黄瀬君に手を引かれて席を立つ。
『え!?』

当然周りも驚いていて征十郎君だけが
「黄瀬、ほどほどで帰って来るんだよ。」と
困ったように笑っていて黄瀬君も



「流石赤司っち!了ー解っス!!」

と笑顔で店を私と出る。









拒否権はないのか。






















店を出て少し歩くと手を離され

『コートに忘れ物したの?』

と当たり障りのないことを聞けば

「そっスね…、とりあえず座ろうっか?」

と近くの公園のベンチを指さす。
私は黄瀬君の意図が全く読めずなされるがまま座る。



「えっと、巻き込んで悪かったス。
 実はというと忘れ物なんてしてなくて

 少し気になることがあって。」

と真剣な面持ちで話す黄瀬君。

『…気になること?』





「大野さんも見たと思うんスけど
 緑間っちの彼女さん…鈴屋さん?だっけ?

 何か妙に絡んでくるんすよね…。

 最初はただのミーハーかなって思ったんスけど


 俺のことじゃなくて赤司っちのことを
 やたら聞いてくるんスよ。


 俺の思い違いならイイんすけど…緑間っちに
 傷ついてほしくないし…」


といったん区切る黄瀬君。

まさか、むしろ黄瀬君に好意があるのかもと
思っていたのに。

なんとも言えずちらりと黄瀬君を見ると
黄瀬君も少し気まずそうで。





『…どうして私に言ったの?』



もしも黄瀬君が言ったことが本当なら
私は、どうしたらいいのか正直分からない。



「あんた赤司っちとも緑間っちとも知り合い
 みたいだったし

 …何より俺に興味なさそうだったんで。」


と言われどきりとなる鼓動。

『ど、どうゆうこと?』


と聞けば

「俺モデルとかしててけっこう女の子に
 言い寄られたりしてるから相手の好意には敏感なんス。」

「だから大野さんからはそうゆうの感じなくて。
 意外だった…というより

 安心しんしたんスよね。

 …ま、誰か好きな人がいるのか、どうかは
 聞かないであげるっス。」


なんて可愛らしく笑われ赤くなる顔。

油断していたらあっというまに
緑間君が好きだとばれてしまいそうだ。


『ーっそ、それにしても鈴屋さん。
 本当に赤司君に気があるのかな…?』




私自身、鈴屋さんとは出会ったばっかりだし
彼女のことは良く分からない。

しかし、黄瀬君がこんなに心配しているのだから
全く何もないということもなさそうだ。



『…わかった。気をつけてみるよ。
 もし何かあったら一応黄瀬君に相談するね?』

と言えば「もちろんス!!」と即答され
本当にわんこのようだと思った。



お店に帰りながら

「そーいえば大野さんて壁感じるッスから
 柚木さん?でいいスか?」

と言われ、どちらにしてもさん付けなのかと
少し微笑ましくなり『どちらでも、どーぞ?』と

笑えば、「ほんと、サバサバしてるっすね。」と
いやみなのか褒め言葉なのか分からない言葉に

どう反応すればいいか悩んでいると
私の前を歩く黄瀬君が

「褒めてるんスよー?」

なんて冗談っぽく言ってきて

『お世辞にもなってないから。』

とじゃれながら帰った。





もちろん店に帰ったときには
「なにー?そんな短時間で凄く仲良くなってない?」
と紫の巨人に言われたが

黄瀬君が「いろいろあったんス!」と含みを
持たせて席に座るものだから

皆の視線が痛かった。














席に座ると緑間君が
「黄瀬になにもされなっかたか?」と心配してくれて

『何もなかったよ?モデルだし緊張するかもって
 思ったけど黄瀬君ただのおっきいわんこだった。』

と言えば横で「ぶっ!!」と笑い出す
高尾君。


「そうか、問題がなければ良いが
 ああも簡単に引っ張られていくようでは

 今後のお前が心配なのだよ。」


とブリッジを上げため息を吐く緑間君。



『な、何が心配なの?子供扱いしてる!』

照れる顔をぷぃっと顔を背ける。
緑間君は天然でたまに
こういった爆弾を投入してくるのがこまる。

また、私もこんな風に強く言ってしまうのが悪いところだ。




「えー、真ちゃんプレイボーイー。やだー。
 高尾ちゃんこーまーるー。」

と、突然高尾君がにゅっと割り込んでくる。
しかもドギツイジョークも練り込んで。



「高尾…打つぞ。」



とポツリで呟く緑間君に「ちょ、冗談じゃんね!」と
高尾君は叫びわたわたしている。

いつもの様子に私がクスリと笑みをこぼすと
「お、やっと笑ったよ。」と高尾君が安心していて

首をかしげると


「気づいていなかったのか?
 さっきから上手く笑えていなかったのだよ。」

と緑間君にも指摘され 
黄瀬君との話が尾を引いてたのかもしれないと
思い反省した。



『ごめん、ありがとう。
 でも大丈夫だ。ま、どうせならかっこいい人に
 ひぱっられて行きたいもんだねー。

 いないかなあー。』


と冗談めかして言うと

「柚木なら直ぐに見つかるのだよ。
 お前は良い奴だからな。」


と笑う緑間君の笑顔に切ない気持ちになり
苦笑いで返し

『緑間君が驚くような人見つけてきて
 あげるんだから。』



と精一杯の伝わらない皮肉を言うも
「そうするのだよ。」と普通に返され

泣きそうになった。






それをまた、悲しそうに見ている人が
いるとも気づかずに。















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