▽39.






あれから、問題なく?誰とも会わず入学式を向かえた。

因みに入学式前に届いた制服は
花宮君と花宮君お母さん今吉さんにお披露目し

似合うと好評かだ。花宮君を除いてはだけど。





しかし

「白色っちゅうのはなかなか目立ってえいんやない?
 自分大人っぽいしなぁ。」

と今吉君からは絶賛だった。


感想を述べてくれない花宮君は
ぷいっと他所を向いたまま。

「真ったら照れてるのかしら?」と
笑われていて

何だか勝手ながら関係性は幼馴染み。
みたいな様になってきている。




そのあと、退院後も定期的に通っている病院に
制服を来ていきお世話になった婦長さんにも
お披露目したのだった。








そして、現在体育館での入学式。

何に驚いたかってまず、人数に驚いた。
流石、マンモス校。友達百人できそうだ。


そして期待を裏切ることなく新入生代表は
赤司征十郎。

颯爽と教壇にあがり、誰が考えたんだ
その内容。と思うような完璧な挨拶をする。




同じ新入生からは、何だか黄色声が上がっていなくもない。


恐るべき赤司君。
こうやって彼らのファンクラブなんかが出来るんだきっと



そのあとは眠たくなるような入学式を終えて
教室に移動し、担任の挨拶を終える。



が、ここで、ひとつ大きなことに気づきました。





同じクラスに黒子君がいる。

ということだ。




マンモス校とはいえど誰かと同じクラスになっても
おかしくないとは思っていた、
けど、まさか黒子君とは。


確かに影は薄いが水色の彼を見逃す訳がない。


ん、水色?そういえば水色君を見ていないような
気がする。
特徴的な顔ではなかったが覚えてはいる。


警戒をしておかないとと、思う。





そんなこと考えていると
先生の話が終わり明日の予定を伝えられ
今日から各部活動が開始するそうなので

見たければ速めに行けよー、とのこと。



やはり帝光中はバスケット強豪ということもあり
バスケは人気だから特になー!
と先生は言っていて。



まあ、三軍まであるほどだし…とは思う。


少し覗いていこうかな?とも思うも
この世界に来てキセキの皆と関わっていものか 

今でも悩んでいる。



多少なりとも彼等の未来を知っているわけで
介入していいのかどうか。



そんな風に悶々と悩んでいると
既に教室は生徒が出ていってしまったり
喋っていたりと少し閑散としていて

いけないと思い教室を出る。



少し覗いて行くだけならいいかな?
幼い皆を見てみたいな。

という気持ちにかられふらふらと体育館へ
行ってみる。


うん、想像を絶する人の多さだ。
なんだか女子も多くないか?

と後退りすると後ろに居た誰かに
どんっとぶつかってしまう。




『すみません。』と振り返ると後ろに居たのは
なんだなんだ青峰君じゃないか。


「お?、お前、ななか!
 何だ同じ学校だったんだな!

 お前もバスケやんのか!?」


一瞬誰だ?みたいなキツイ視線から一変。

私と気づくと嬉しそうに話してくる。
可愛らしいな。



『青峰君じゃん。元気?良く名前覚えてたね。』

と言うと
「あのあと、さつきが連絡先聞けば良かったーって
 うるさくてよ。覚えちまった。」


とのこと。


「てか、お前マネージャーやれよ!
 俺バスケ入るし、さつきもマネージャーで入るからよ!

 さつきが喜ぶんじゃねーの?」


確かに喜ぶさつきちゃんは見たいが
マネージャーかぁ。


『んー、どうだろう。できるなかー、』と
曖昧に濁していると
体育館の方から「新入部員希望者あつまれー!」と
声がかかっており

青峰君に『ほら、呼ばれてるよ?』と背中を押してあげる。


少し不服そうな青峰君は本当にぐれてなくて可愛い。


すると、
「おい!そこの一年!置いてくぞっ!」

と虹村さんがかけよってくるじゃないか。
まあ、良く会うものだと思うも
目があったので頭を下げる。


知り合いなのかな?みたいな視線を青峰君から感じるが
とりあえずは無視して頭をあげると

虹村さんをの目がキラリーンと悪まで例えだが
光っているようにも見えて

少し怖い、、とそう思っていると




「お前っ!こんな所に居たのか!探してたんだぜ!」

と肩を組まれる。が
突然過ぎて思考がついていかない。



『え?あの?どうゆう…』と
聞こうにも虹村さんは全く取り合ってれない。

しまいには
「お?お前新入部員か?じゃあ、お前もこっちだな。」

と青峰君も案内し始める。


『ちょちょ、ちょっと待ってください!
 お前もって私もですか!?』



と驚くと、さして気にする様子もなく
「おうっ!」と言う。

横にいる青峰君は
「なんだ、やっぱマネージャーになるんじゃねぇか。」
と嬉しそうだし。


『え!?マネージャー!?志望してないよ!』


確かにこの間助けていただいたけれども
マネージャーになりたいなんて言ってなかったと
思う。

青峰君もそうなの?みたいな顔してるけど
いやいや、私ずっと君といたよね?



「あぁ、俺が勝手に決めた。」





まさかの虹村さん一声に
驚きのあまり抵抗する気力を失われる。

青峰君何て、ぶっと吹いてる。


「いいじゃねぇーか!マネージャー!さつきもいるしよ?
 頑張れよなな。」
と背中をバシッと青峰君は叩くが
力の加減を覚えてほしい。



そんなこんなで「時間ねぇからほらっ!」と
虹村さんにずるずると引っ張られながら体育館へと
引きずられる。

途中で虹村さんが
「お前はあっちなー!」と指さし青峰君を
別の体育館へと案内する。



私は一度体験したから知っている。



青峰君が入ったのは三軍体育館だ。
青峰君は気にする様子もなく「あざっす!」と
体育館へ消えていく。





『あの、虹村さん…?私はいずこへ?』


現状を考えると、
おそらく一軍の体育館へと向かっているはずで



「名前、覚えていてくれてたのか?
 どこって、そりゃ一軍体育館だけど?」


という虹村さん。
そりゃそうですよねー、と落胆する。




介入していいものか、


そう悩んでいたのに、

もう関わらないという選択肢は限り無くゼロに近い。





ならば、腹をくくるしかない。


皆にとことん関わる覚悟を。









▽▲











青い新入部員を三軍体育館に案内し
浅葱ななをマネージャーとして一軍につれていく。


少し強引すぎたか?と思ったが
姿を見つけたら身体が直ぐに行動をとったのだ。


しかたない。



はじめは小さな抵抗を、示していたこいつも
すっかり収まり今や素直に俺に引っ張られていく。



すると、小さな声で


『虹村さん…、』
と声をかけてくる。



「ん?どうした?」


俺は見た目がそんなに優しげではないと
自覚しているため


出来るだけ優しく答える。



『どうして私をマネージャーに?』

そう言うななの目は震えていて
俺は少し考える、

本当のことを言ってもいいのだろうか、と。

しかしまあ、嘘つくのは苦手なので
選択肢としては正直に話す以外ないのだが。




「前会ったときのこと覚えてるか?」



俺がそう聞くとコクりと頷く。



「あの時にさ、白金監督にななのこと
 色々聞いてよ。

 勝手に悪かったな。

 けど、部活すりゃぁさ少しは
 気持ちとかマシになんじゃねえーのか?って
 おもってさ。

 余計だったか?」



余計だった。お節介だったと言われたら
流石にちょっと傷つくなと思ってると

予想は遥か上で


『ありがとう。』と

笑われて柄にもなくドキリとした。




けど、この気持ちが妹のような気持ちなかどうかは
今の俺には解らなかった。









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