▲青峰大輝と誕生日.


※青峰視点からです。









うっとうしい暑さが続く八月の終わり。

部活も休みですることねぇなー。
と部屋でごろ寝をしていた。


マイちゃんの写真集も見てたんだけども
一日に何度も読み返す様なことはしない。



なんとなく、勿体ないような気がして。


しゃーねぇしストバスにでも行くかと
身体を起こしボールとタオルを持っていく。

あ。いけね。
携帯と財布も持ってかねぇーと。
とポケットに乱暴に詰める。


「うしっ。行くか。」


と晴天の中、俺はストバスへと向かったのだった。







ストバスへ行くと案外誰も居なくて今日は空いてて
ラッキーだな、なんて考えていると

この暑いなかベンチになながいて、


『青峰君起きるの遅い。暑くてどうにかなりそう。』

額の汗を拭いながらななは、ぐてっと
していた。

いや?でも俺約束なんてしてなかったぞ。



「なんでなながここにいんだよ。」

別に居られて嫌とかじゃねぇーけど
普段バスケしねぇし不思議だ。



『さつきちゃんがね、ここで待ってたら大ちゃん来るからって、そう教えくれたから待ってた。』



「へー。そりゃご苦労なこった。」
わざわざこんな、暑いところで待たず家に来りゃ良かったのに。

そんな風に思っていると
『さつきちゃんから危ないから家は駄目って』
と答えられ、考えが顔に出てたか?

「はぁ?、んだよ、それ。
 俺が野蛮人みたいじゃねぇーか。」


フォーミングアップがてらシュッとシュートする。
その弾みでななの方に行ってしまったボールを
ななに奪われる。

『いつも、胸、胸言ってるくらいだから
 野蛮人って思われてても仕方無いと思うけど?』

とボールを投げてくる。


「っ、と。相変わらず下手だな。
 仕方ねぇだろ。ちいせーのは認めれねぇしよ、」



『誰も認められたくないよ!もう。
 ほら、1or1しよう!』


呆れたと思ったら笑顔で何を言うんだ、こいつは。


「お前じゃ下手過ぎて相手になんねぇーよ。。」


『大丈夫、青峰君の相手が出来る女の人なんていないから。』


ああ言えばこう言う、こいつの性格には勝てない。
赤司とはまた違う、大人を感じるからだろうか。


「わーったよ。すりゃいいだろ。
 五点先取…いや直ぐおわるか。

 ななが一点とれたら終いにしてやる。」

そう言うと『見てろよー!黒峰ー!』と
笑顔で言うものだから、まあいいかと、思う。
が、黒峰は許さねぇ。



「ああん?調子のってんじゃねーぞ。
 俺に勝てるのは『俺だけだっ!』」



「…お前がいってんじゃねぇーよ!! 」



やたら、どや顔のなな腹はたつが
それも、まあいいかと1or1を始めたのだった。











▽▲












八月三十日。我が家で青峰誕生日の会の会議が
行われております。

去年のWCで初負けをした、青峰君。
さつきちゃんの話では練習に前より出るようになり
若松君も青峰君の扱いに慣れて
上手く行っているそうだ。


キセキの皆でバスケットをするようにもなり
ぐれていたころから幾分かピュアに戻ってきた彼の
誕生日を祝ってやろう!という会だ。


因みに、開催会場が私の家ということで
あつまっている。

「料理なら任せてっ!」と言う
さつきちゃんを皆で説得し料理は火神君と夏休み帰省中の
紫原君。つまみ食いを見張るための赤司。
それに加え「こんな面子じゃ死んでしまう。」という火神君の要望により黒子君と桜井君の五人。


飾り付け担当が黄瀬君、さつきちゃん、緑間君

プレゼント係が今吉さんと諏佐さんと若松さんの
桐皇組だ。




そう、今回はキセキ+桐皇組でのお祝いだ。
因みに赤司君は連絡するとわざわざこの日に帰ってきてくれて
大学組はお休みだ。



そして、私はというと時間稼ぎ役ということで
青峰君と1or1をしてるいる。
時間稼ぎのつもりだったのに、このあと祝えるのか?ってくらい本気でしてしまった。


体力の限界が来そうだ。

そんな私を見かねたのか、青峰君が休むかと
地べたに倒れている私を引き上げてくれるも

少しバランスを崩し青峰君と共に崩れ落ちる。


「いって…。大丈夫か?」

そのまま倒れてしまったので
青峰君が上に私が下になる

青峰君が身体を少し離すが、なかなか近いな。

『青峰君こそ、、、って近いよ。』

と胸を押せば、「しかたねぇーだろ。」と
悪態つくも指摘され少し照れていて

気まずい空気が流れる。
いや、気まずい…というかヤバイ空気。
分かりやすく言えばピンク色の空気だ、



しかし、それを壊してくれたのは、たまたま呼びに来てくれたさつきちゃんで。




「だ、だだだだ大ちゃん!!!?」と
顔を真っ赤に赤らめるさつきちゃん。
「違うさつき!聞け!この状況を!」と空しくコートに
青峰君の声が響いた。



あのあと、事故だよと私からも説明し
さつきちゃんを落ち着かせ、
不審がる青峰君を無理矢理家まで連れていき

家に入れる。
むしろ、押し込む。

若干痛いと、きれる青峰君は完全無視だ。





パンっパンっ、と軽快なクラッカー音が部屋に響く。

青峰君はぽかーん顔。


「せーのっ」

と黒子君が言い皆で
「「「「「「『お誕生日おめでとう』」」」」」」





「……えっ?」




驚きすぎて声もでない青峰君の予想外の反応に
各々爆笑。


「ちょっと大ちゃん!もっと他に言うことあるでしょ?」

と後ろから、さつきちゃんが青峰君をぽすんと殴る。

「え、あ、いや、だってよ。」
と、しどろもどろしている青峰君に更に爆笑をよぶ。

『ほらほら、メインはこっち。バスケしてお腹すいたでしょ?』
と青峰君を真ん中に座られる。


だんだんと状況になれてきた青峰君は
「…せんきゅっ。」と呟く。
分かりやすく照れてる青峰君を一番嬉しそうに
見ているのはきっと

桐皇組なのかもしれない。
腹黒くない笑みを浮かべる今吉さんは親の様だ。


「ねー、はやくー食べようーよー、
 ずっと待ってたんだからねー!もぅ。」
と紫原君は拗ねていて、よほど食べるのを我慢していたんだろう。

「ん?、あぁ。てかお前もう食ってんじゃねーか!!」

確かに紫原君は、はしっこのお菓子を摘まんでいて。
「ケーキは食べてないしー。」と
お菓子をすごいスピードで食べている。

「許してやってくれないか青峰。紫原もかなり我慢していたんだ。」と赤司君が困ったように笑う。

「赤司君の見張りは厳しかったですからね。」

「いや、こいつの食い気が凄すぎんだろ。」
と黒子君と火神君は呆れていたが
その様子が簡単に想像でき笑えてしまう。


誕生日恒例のケーキを嫌がる青峰君に無理矢理消させ誕生日は始まり、今吉さん達が選んだプレゼントを渡す。

バッシュとバスケットボール。
因みにバスケットボールには皆のメッセージ入り。



流石は考案今吉さん。
腹黒の人ってたぶん人を喜ばすのも上手いんだと思う。

その証拠に素直じゃないけど喜んでいる。


「どや?そのバッシュ青峰がよう履きゆう所のもん
 を選んだきたつもりなんやけど
 気に入ったか?」

そう尋ねる今吉さんに
「本当に変態かよ。」と返す青峰君。気に入ったんだな。



写真やらなんやらとわちゃわちゃ
どんちゃん騒ぎになってきて
しかし1or1で体力を使いすぎた私は眠たくなってしまい

うとうとする。


それに気付いた青峰君は輪を抜け
こちらに近づく。

「大丈夫か?昼前バスケしてたしな。」



『ちょっと…眠たい。かな、』


目を擦るも一度襲ってきた眠気は引かず
ゆっくりと意識は遠退いていく。

意識がなくなる前に優し頭を撫でられ


「ありがとな。」
と青峰君の優しい声が聞こえた気がした。











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