▽06,


あのあと、皆からの一斉に質問攻撃。


「秋山さん少しえぇか?
 あいつがゆうとったことは
 ほんまかいな?」と今吉君。

『…本当です。
 私がいた所は3次元って言われてたし
 バスケの漫画はいくつかあるよ……
 でも、その、皆のことはあんまり。
 でも、キセキの世代だとか、

 そういう単語は聞いたことある、かな。』


正直に言うと本当は知っている。

知っているけど

自己紹介してもらった手前
知っているとは言えないし、
この状況で皆に知っていることを理由に
気味悪がれて孤立したくない。

私は上手く嘘をつけているだろうか。


そうか。と今吉君はまた考え出す。


「俄には信じがたい話だな。全く。」

笠松君は頭をガリガリとしながらばつが悪そうに
深くため息をする。
あ、あんたが悪いわけじゃねーぞ、と
ちゃんと私に付け加えて。

しかし、その瞬間を、見逃さないのが森山君。


「ななさん。すみません、うちの笠松が。
 ですが心配しないでください!

 いわば俺は、貴女を守るナイトっ!
 一緒にこんな辛気くさい所から出ましょう!」

こんな時でも通常運転なのね、森山君。
しかし、少し落ち着く。


「すげぇな、海常の森山っつーの!」

木吉君はキラキラした目で森山君を誉めてるけど
いや、間違ってるよ!間違ってる!


「ダァホ!木吉!そこじゃねーだろ!
 ちったぁ現状の深刻さを考えろ!
 秋山さんなんて本当に
 巻き込まれただけじゃねーか!」


日向君が、木吉君に一括してくれるが
でもさ、日向。俺達漫画なんだぞ?
すごいことじゃないか!と、誇らしげだ。

うん。まあ、誠凛君は良く出てるけどあくまで
主人公は、黒子なんだけどね。

恐ろしくて、言えないが。






「あの、皆さんすみません。少しいいですか?」



珍しく、黒子君が中心に出てくる。
火神君はやっぱりというか、
「うわっ!黒子いつの間に!」
っと驚いていた。


「自称ラスボスと名乗った彼が
 マイクを切ったあと
 念のためステージの教壇を探したら
 地図みたいなものが出てきたんです。」

ほら、と黒子君は紙を前に差し出す。

いつの間に。すごい黒子君。


「黒子、少し見せてくれ。」


赤司君は黒子君から地図を取ると、
真剣な面持ちでみる。
少し考えて緑間君を呼びつける。

「緑間、少しいいか?」

緑間君は、赤司君と一緒に地図を覗き込むと
みるみるうちに眉間に皺ができる。
美人さんのしかめっ面はなかなか恐い。

「赤司、これは…この作りは帝光か?」


緑間君の言葉に何人かは驚きのいろを隠せない。


「ふむ。やはり、緑間から見ても
 帝光中に見えるようだね。」


赤司君は、再度各チームの主将と
帝光メンバーを呼び
今後の作戦を練っているようだ。
私はどうしたら良いのか分からず、

とりあえず動かず
じっとしているとリコちゃんが、話しかてくれる。

「ななさん大丈夫ですか?」


巻き込まれた、そのことに関しての
大丈夫、だろう。
心配してくれているんだなっと少し嬉しくなる。


『正直に言うと、 
 まだ今の状況が理解しきれてなくて
 困惑してる…かな?歳上なのに情けないよね。』


へへっと、笑って見せるもぎこちなくなる。
ここで死ねと言われてしまえば
仕方もないでしょう。


「そうですよね。私たちも理解はしても
 なかなか受け入れられないです。でも、女同士
 協力していきましょう?

 考えても仕方ないことってあると思うんです。

 それに……。」

ここまで話すとリコちゃんは、一旦区切り少し
深呼吸する。

『……それに?』





「貴女の代わりに呼ばれる筈だった、
 うちのマネージャーに

 似てるんですよね。すごく。

 顔とかって言うよりは…何か全体的に…。」


少し言い淀む様に話す、リコちゃん。
誠凛のマネージャーかぁ。
原作では確かにいなかったんだけど
いったい、どんな人なんだろうか。


『誠凛ってマネージャーいたっけ?』


思わず質問してしまうが、ええ!とにこやかに
答えられては疑う余地もない。
私が知らないだけ…だろうか?

何かこう引っ掛かる。


そんな話をしていると主将集団の中から黒子君が
帰ってくる。どうやら話し合いは終わったみたいだ。


「これから、今からの行動について発表します。」

やはり、ここでも仕切るのは赤司君。


「この、地図を見る限り怪しい場所は
 南棟と、北棟。

 あとは、罠の可能性もあるが
 地図に書き込まれている
 中央棟の屋上、スペシャルアイテムと
 書かれている場所になります。」

「各場所をチームにわかれて
 探索しようと思います。
 幸い各チーム良いバランスが取れているので
 各学校ごとと言うことです。」

異論はないのか誰も文句はいわない。

「あとは、すみません。秋山さん。」


いきなり名前を呼ばれ、は、はいっ!と
決まりのない返事をしてしまう。

「貴女には、申し訳ないが
 全てのチームについていって
 もらうことになります。」



………え?なんと、赤司様?


『え、待って!私が着いていっても運動神経なんて
 皆に比べたら足元にも及ばないし

 いや、むしろ足手まといだよ??』

リコちゃんが、心配そうに私の肩に手を置く。
自分でも気づかないうちに震えていたのか。


「無理は承知ですが、
 この図面には学校の図面以外に
 ざっくりとしたアイテムの場所
 あと、貴女の役割がかいてあります。」


『私の、役割……。』


さしずめ、事がスムーズに進まないための皆の
枷の役割…なのだろうか。


「全てのアイテムは基本宝箱に入っていてその箱を
 開けられるのは秋山 ななさんのみ。」


わあー、これは、断れない。
各階回ってもアイテム入手ができなければ
命を危機にさらしているだけになるのだから。


「ななさん…。」

リコちゃんの手に力がぐっと入るのが分かる。
心配してくれている、
けど私が行かなければならない。
それは、もう逃れられない。


『……わかった。頑張る。』










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