▽05,


「なるほど。にわかに信じがたいが理解はした。
 君の話しようだと、俺達にはまだ生きるという
 選択肢はあるようだね。」


え?赤司君理解したの?と私が思うも
葉山君が、代わりに代弁…というか叫び出す。


「え!赤司理解したの?すげっ!
 俺ちょっと意味わかんね。」

葉山君は驚いたように赤司君を見るが、横にいる
実渕さんに頭を叩かれる。

「ちょっと、小太郎静かにしてなさいよ馬鹿!」

ごめん。実渕さん。私も心のなかで驚いてました。




《流石は主将の赤司君。理解が早くて助かるよ。

 あぁ、君達が生き残る方法はある。
 既に気がついていると思うがここは、
 とある中学校を再現している。
 各階のどこかにアイテムを置いているから
 その、アイテムを集めて来たら君達の勝ちだ。

 だが、そう簡単に集められては困るので
 体育館の外には、いわばモンスターという物を
 配置させているよ。

 逃げおおせるのもよし。
 おとなしく殺されるもよし、だ。》


なんだそれ、まるでゲームの世界だ。
体育館の外に、モンスターて本当に2次元だ。



「monster…。」

めちゃくちゃ綺麗な発音でモンスターと言う
声がし見ると帰国子女の氷室君。

「どうした、氷室?」

考え込む氷室君に福井君は少し心配そうに顔を
覗き込む。


「いや、彼の言い分だと俺達を殺したい。が
 その世界を作り出すのには反対のルールも
 作らなければいけなかった。

 と、いうことはmonsterを創るにあたって
 monsterを倒す方法も
 作らなければならなかったんじゃないのかと、
 思ってね。」

なるほど。頭良いな氷室君。

《ふふふ、確かにその通りだよ。氷室辰也さん?

 基本はどんな攻撃でも大丈夫なように
 作っているが
 対抗用の武器も準備してある。

 校内の何処かにあるから、それも見つけたら
 どうぞ、利用してくれ。》


《さあ、大体の説明は終わりだよ?
 帰るためのアイテムを、集められたら
 君達の前に現れよう。》


あ、やばい。


このままではスピーカー切られてしまう。
私は切られる前にどうしても聞かなければならない
ことがある。

恐い。皆みたいに敵意を出せるほど精神強くない。
けど、自分も知らなければならない。
ここに呼ばれた理由を。

「待って!」

振り絞った声は意外と大きくて自分でも、
びっくり。

《………………………………………。》

「どうして、私はここに呼ばれたの。
 …関係ないよね、」


そうだ。関係ない。
ラスボスさんが話してくれたおかげで
私への疑いは、晴れただろうが

意味が全く解らない。


《…貴女のことに関しては、
 正直に話しましょう。》


体育館がやけに静に感じる。
滲み出る掌の汗をぎゅっと握る。



《本来は貴女ではなく、誠凛のマネージャーを
 呼んだつもりだったんだが、
 何かの手違いで貴女をここに呼んでしまった。

 3次元の貴女を。》




…何て言った?誠凛のマネージャー?


原作は知っている、誠凛にマネージャーなんて
いなかったはず…。
しかし、誠凛のマネージャーという単語がでた瞬間
体育館がピリッと厳しくなるのを少し感じる。


《まあ、ここは2.5 次元。
 3次元と2次元の間なのだから
 3次元の貴女を呼べなくもないが、
 意図としては呼んでいない。

 まさか、自分でもこんなミスをするとは
 思わなかった。》


淡々と話してくれるが、いやしかし
じゃあ、私は巻き込まれた、だけ?
手違いと言っていたし。なんてこった。




「いや、ちょっと待ちいや。3次元やて?」

誰が突っ込むとは思ったけど、まさか今吉君とは。



《あぁ。君達には信じがたいがだろうが
 彼女は3次元の住人さ。
 君達が漫画やアニメで見る世界のね。》

ん?漫画やアニメ?それは、2次元では?と
悩むも赤司君がなるほど。と呟く。
いや全然わかんない。


《世界とは、面白く複雑でね。パラレルワールド…
 とは、少し違うが

 僕達世界から見た漫画やアニメの世界は3次元
 彼女から見た漫画やアニメの世界は僕達のいる
 2次元にあたる。

 創造主とは、上手く言ったものだよね。
 詳しくは知らないがある一定の条件を満たせば
 漫画だろうと、なんだろうと
 その世界は作られる。

 物語にはストーリーがあるからね
 ある程度のレールは引かれているわけだ。 
 それを人は運命と
 崇め創作者を神を崇める。

 ねぇ、お姉さん。この世界もある程度の元と
 なるのは貴女の世界にあるんでしょ?》


正直息が止まるかもおもった。2次元がある?
3次元が、あっちの世界での空想と言うのか。


絶句とはまさにこの事。顔面蒼白。


難しい顔をしているけど、一部の人達は内容の
理解は出来ているみたいだ。
残りの一部は、はてなマークがでている。

しかし、さすがというか
各チームのPGの人と主将の人達は
理解していそうだ。


いや、岡村君は理解してないかもしれない。
はてなマークが頭を飛んでいる。


《まあ、どちらにせよ信じるも信じないも
 君達の自由さ。

 どうせ、皆が皆は生きて帰れないだろうから。》


そういうと
スピーカーの、マイクの音はぶちっと切られる。


体育館に再び訪れる沈黙と静寂。



もう、本当に死亡フラグしか立たない。








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