▽02,


やはりと言うか、こうも人数が多く一人一人の
キャラが濃いとなかなか進まない。

次は、秀徳組の隣にいた黒いジャージ集団へとうつる。
ここのチームは確か個人プレー主義だったはずだがなんだか、不思議と上下関係は重んじるのか

めがねの主将が話し出すまで誰も口を開かない。

青い少年は、
ただめんどくさがっているだけだろうが。
さっきからバスケットボールをハンドリングして
遊んで?いる。

「なんや、さっきはうちの後輩が失礼したわ。
 後できつう言うとくさかい堪忍な。」

まさか、開口一番で謝罪の言葉が出るとは思わず
『い、いえっ!』と
ぶんぶんと、手と首を横にふる。

しかし眉麿君…いや花宮君からは盛大な舌打ちをもらった。

そうゆう、やつだよ。確かに君は。

「なんや、優しい人で良かったなぁ。花宮。
 …紹介が遅れてしもたね?ワシは今吉翔一。
 桐皇学園3年主将をやらせてもろうてるもんや。

 て言うても、もう残るは引退と
 受験のみやけどな。」


“人の不幸は蜜の味!”の先輩で妖怪サトリとも
言われたくらいの人なので身構えていたのだけれど
なんだ、意外と普通の?いい人そうではないか。
ファーストアクション、良好、良好。

「で、こっちが同じ3年の諏佐に、2年の若松
 あとは、1年の桜井にうちのエース青峰や。

 青峰んとこにおる女の子が
 マネージャーの桃井。
 まあ、ひとつよろしゅう頼むわ。」

おおー、ざっくりと今吉さんが
全員分の紹介をしてくれる。
もはや、流石先輩。としか言いようがない。

「えっと、すみません。
 あの、よろしくお願いします。
 あ!いや!図々しかったですよね!
 すみません!」

へこへこと謝る桜井君。

うん、私の後ろで日向君が青筋たててるから、
とりあえず謝るのやめてほしい。

ため息を吐きながら乱暴にガシガシと
己の頭を掻き
「俺が、若松っす。どーもな!」
と軽く挨拶してくれる
彼はきっと、良い子だ。直感だか。

彼の横にいた、カラフル面子の紅一点。
ピンクの女の子が笑顔で若松君を押し退ける。

なにげに酷いなおい。


「ハイハイ!私は桃井さつきです!
 今吉さんが言ってくれましたけど
 マネージャーやってます。
 好きなものはぁ〜テツ君っ!気軽にさつきって
 呼んでくださいね?」

ばちんとウインクを決められよろける。
なんて、女子力。
なんて、ダイレクトな告白。

「ほらっ!大ちゃんも!自己紹介しなさいよ!」

さつきちゃんに促されて
今まで黙りだった青い少年が
めんどくさそーうに、くるくるとボールをまわす。

「あぁ?…っんだよ。さつき。今吉さんが
 さっき名前言ってだろうーがよ。
 何でわざわざ言い直すんだよ。
 たくっ。馬鹿お前。」

「馬鹿ってなによ!馬鹿って!大ちゃんには
 一番言われたくないんですけど!?この、
 ガングロクロスケ!」

青峰君の態度にぷんぷんと怒るさつきちゃん。
だが、そんなときでも可愛い彼女はすごい。
海常の森山君よ、こうゆう時を狙うんだよ!

『さつきちゃん。いいの、ありがとう。
 えーっと、今吉君に諏佐君に若松君。
 あと、1年の桜井君に青峰君ね。
 わかった。皆よろしくね。』

ななさん…!とキラキラした目で見てくる
愛らしいさつきちゃんに笑顔で返して

さあ、次だ。次。
そんな、私の視線をキャッチしたのは
エレガントヤンキー

こと泣きぼくろ、フェロモン君。
や、やややばい。
これは、高校の放つ雰囲気じゃない。


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