▽15,


霧崎第一の皆と仲良く?話をしていると
意外とラフプレーをする割りには

皆良い子だった。

しかし、まあお坊ちゃんと言われている学校の生徒には
見えないけれど、、、
どっちかって言うとヤンキー高だよね。
見た目だけだけど。


原君にガムあるよ。いる?コンポタージュ味だけどと
差し出され、なんじゃその危なそうなガムはと思い
断るもいいからと握らされる。

いや、食べないよっ!食べないからね!と言い
しぶしぶポケットにしまう。


すると、いつの間にか
黄瀬君を叱っていたさつきちゃんが叱り終え
こちらに向かってくる。

わあー。素敵な笑顔。


「ななさん、きーちゃんはしっかりと
 怒っておきましたからね!」


と、満面の笑みだ。心配になりちらりと黄瀬君を見ると
怒られて項垂れてワンコの様に肩を落としている。

苦笑しながら、あのまま放っては置けないなと判断し
「心配してくれてありがとう」と、さつきちゃんに返しつつ
一緒に黄瀬君のところに行く。

どうやら、黄瀬君と一緒に海常メンバーは
内容を聞いていたようで

申し訳なそうにしている。


前回も、思ったが少し責任感が強すぎやしないかい?
チームの特色なのかも知れないけど
なんと言うかそんなに責任感感じなくとも。と思う。


「ななっち、ごめんっス。」


黄瀬君はしゅんっと効果音を鳴らしながら
しまいには見えない耳までへにょんと垂らして
謝る。



『大丈夫だよ。怪我してないし、そもそも穴も
 最終的に開けたのは親玉、ラスボスさんだし!

 それに、結局落ちたのは青峰君達だけだから
 心配しないで、』と


言いながら頭を撫でると照れ臭そうにふにゃんと笑う。



「ありがとうっス!

 …にしてもななっちに頭撫でられると
 妙に落ち着くっス。
 本当は女の子に触られること自体が好きじゃないっスけど。」



「うわっ、なにそれ、ありえない。」とさつきちゃんは
ややドン引きしていて笑ってしまう。
さすがはモデル、引く手数多と言うわけか。


「たくっ、いちいち嫌味な奴だぜ。」と


笠松君は怒っていたが手が出ないのは私が
頭を撫でているのからなのかはわからない。



「それにしても悪いな。俺達せいで桐皇組には迷惑かけて。」

小堀君は申し訳なそうにさつきちゃんに謝っており
「いいんです。皆無事ですし、海常の皆さんだってその時の
 最善をつくしたんですから」と

笑うさつきちゃん。高校生には見えない
妖艶さというか、大人っぽい。
今だ!今だよ!森山君と思うが、あれ?森山君反応しないなと
思うも「あ、ありがとうな。」と照れる笠松君に
「俺のときと対応が違うっス!」と拗ねる黄瀬君。

どこでも反応変わらないなぁと笑っていると
後ろからぐんっと肩を引かれ誰かの背中にぽすんと
あたる。

背中はくっついてしまっているため首だけ後ろに回す。
あ、森山君だ。森山君は黙ってそのまま動かない。


『森山君?どうしたの?』と
聞くと森山君は顔をしかめて黒子君のジャージに手をかけ
腕までするっと下ろされる。


「森山センパイっ!?」と黄瀬君が、わたわたと焦る。
さつきちゃんも「森山さん!?」と驚くも、直ぐに彼の
意図を察したようで急いでリコちゃんの方に走っていく。



「ななさん、この痣はいつから?」
いつもの女の子を口説いているとは思えない真面目な声色
びくりと肩が震える。

実は青峰君におもいっきり投げられたときに
いきなりの事で受け身が取れず怪我している方から
派手に身体を打ち付けてしまっていたのだ。

体育館に戻るまでは緊張してか、痛みを感じてはいなかったが

気持ちも落ち着きじわじわと痛みだした所だ。
上手く隠していたつもりなのに
森山君は気がついたのか。鋭いな。


『ちょっと探索中にね、でもそんなに痛くないから。』と

笑って見せるも顔をしかめたまま。


「こんなこと言いたくはないんですが、大丈夫じゃないと
 俺は思います。

 こんなに人がいてななさんだけが傷付いて
 大丈夫な訳ないでしょう?

 もっと、頼ってください。
 …それとも、俺では頼りになりませんか?」



頼りになりませんか?と言った森山君は今にも泣いてしまそうな
悲しい顔で
花宮君といい、森山君といい皆どうしてこんなに優しいのか。


「…そうっスよ。水くさいっス。
 もっとななっちは周りに頼るべきっス!

 俺が頼りないって思うんなら
 俺等を頼ってください!

 森山先輩の言葉を借りる訳じゃないど
 ななっちは本当に一人で頑張りすぎっス!」


と黄瀬君が私の前にきて頭をぽんぽんと撫でる。

引っ込ませた涙がまた、出そうになるのをグッとこらえて
自分なりに名一杯の笑顔で答える。


『ちょっと、皆男前過ぎじゃない?ほんとに…。

 でも、ありがとう、』



黄瀬君は「もう!ななっち可愛い!」と
すりすりしてくるけど、いや君モデルでしょ?
駄目だよ!と思っていると

「流石モデル。やることが大胆だ。」と
森山君が後ろで感心しており、いや感心してるとじゃないよ?
と思うも、まさかのまさか

森山君は後ろから私のお腹に手を回して後ろから
ぎゅっと抱き締められる。


『ももも森山さん!!黄瀬君も!ち、近いから!』


とジタバタと暴れると森山君に飛び蹴りが入り
黄瀬君にはグーパンチが入る。


「森山てめぇ!途中までもっともなこと言うから
 黙って見てたがやりすぎだ!シバクぞ!!」

笠松君が仁王立ちして怒っている。どうやら森山君を蹴ったのは
笠松君のようだ。ん?それなら黄瀬君はと見ると

リコちゃんを連れて帰ってきたさつきちゃんが
こちらでも仁王立ちしていて
「きーぃーちゃーん??」と怒っていた。
なるほど、黄瀬君にグーパンチしたのはさつきちゃんか。


いやはや助かった。(笑)


リコちゃんはその辺りを全て無視して私にかけよってくる

「ななさん肩見せて下さい。」


と言うと手際よく、ずれ落ちていた私のジャージをずらし
一度手当てしてくれた所をほどく。

そして、再度念入りに治療してくれる。
どうやら、今回は前回の近場にアザを作ってしまった様だ。


もくもくとリコちゃんが行っていると
一緒に着いてきていたのか、黒子君が前に座る。


「ななさん大丈夫ですか?」


眉をしゅんと下げ心配してくれる、その姿は子犬のようで。
んんー、確かに2号にそっくりだ。


『うん!大丈夫だよ、、それよりごめんね。
 黒子君に借りてるジャージ少し汚しちゃった。』







「いいえ、そんなこと気にしないでください。
 僕も気にしませんので。

 それに、汚れてしまってもこの世界では
 無いに等しい物ですし。 



 …それより、先ほど黄瀬君や森山先輩も言ってましたが
 これからは、もっと僕達を頼ってください。」

ね?と首をかしげられれば、はいとしか言いようがなく
黒子君の可愛さに悶える。
後ろで治療をしながら「黒子君が策士だわ。」と
呟いたリコちゃんの声は私には届かなかった。




リコちゃんに治療してもらい
ぼっこぼこにされている黄瀬君と森山君に一言
『ありがとう!リコちゃんに手当してもらったし
 大したことないから。でも次はちゃんと
 大丈夫じゃないときは助けを求める、けどいい?』と

言うと「もちろん」と二人に笑顔で返された。
さつきちゃんと笠松君には「求めるのでなく、そうなる前に
言わなきゃ駄目です!」と
心配されたがムキになってる二人が可愛いので良いとしよう。




そうこうしていると赤司君から、いつも通り
収集がかかる。

今回も起こったことと報酬について。


やはり、宝箱の中身は拳銃のパーツの一部のようで
前回の物と型が一致したそうだ。

それと、今回何よりの成果は今吉君がラスボスさんと
会話したこと。


あの放送は会話の手段になること。
ラスボスさんは赤司君達と同い年だと言うこと。
また、このようなステージを用意したのだ

バスケット関係者か
帝光の元生徒か。

赤司君の見解では両方、帝光中出身の元バスケットボール部員では
ないか?と言っていた。

声だけじゃ誰かは分からんか?という
今吉君の質問に

赤司君も一軍までは覚えていても二軍、三軍になると
誰かまでは声だけでは分からないかもしれない。とのことだった。

まあ、マンモス校だし仕方ない。
一軍だけでも覚えている彼は寧ろすごいのだ。




黒子君は何か考えているように少し黙っていた。 



また、今回の予告については紙に

第三ステージおめでとう。
次回第四ステージ、頭を使うといいだろう。
また、時間を使い過ぎれば一人は絶対に死ぬだろう。




前回のに比べると随分とハッキリとした内容だった。





体育館にも沈黙が訪れる。
それもそのはずだ。何かは解らないが
紙に書いている内容通りなら
今までのステージに比べ直接的に死んでしまう確率が
高いステージだと安易に想像できるからだ。





しかし、その沈黙を破ったのは赤司君だった。







「皆の思いは分かっている。だから次は僕が行こう。」




赤司君の言葉に皆驚くも、赤司君は堂々としていて。
いや、それだけではない。


洛山組は皆、覚悟を決めているのうに
堂々としていた。











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