another main | ナノ

 頼先生誕

「せんせー」
「ちかちゃん、今始業式なはずなんだけど」
「それは先生も同じだから仕方ないね」
「……。それで? なにしてるの?」
「ひなたぼっこ」
「始業式でなよ」
「えー」
「えー、じゃなくて」
「何か先生みたいな事言ってる」
「先生だからね」
「えへへ、なんかびっくりした」
「こっちは、ちかちゃんの認識にびっくりしたからね」
「それより先生仕事しないの?」
「してるから始業式でないんだよ」
「ふうん? サボリかと思った」
「サボリって、君たちじゃないんだから」
「わたしだって普段はさぼってません!」
「今日は?」
「…………」
「…………」
「かえろー」
「始業式でなよ」
「あ、そうだ、先生」
「なに?」
「これあげるー」


 かさりと小さな包みと、一枚の手紙をおいて。プレゼントは蜂蜜漬けのジンジャキャンディ。
 ――いつもお仕事お疲れ様です。あとお誕生日おめでとうございます。
 もう春だけれど、まだ風が冷たいときもあるから、からだにはどうか気をつけて。――
 なぁんて、失礼なことを言った後の手紙じゃあ、うまく伝わらないかもしれないけど。きっとくみ取ってくれる事を信じて、保健室を後にする。


 ハッピィバースデイ!




人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -